東京五輪延期で“公約”を守る皮肉…開催中止ならどうなる?

公開日: 更新日:

 世界が対応と成り行きを注目している。

 10日、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会は、国際オリンピック委員会(IOC)の理事会に、1年延期された東京五輪のコスト削減と計画の簡素化を報告し、合意を得た。組織委員会の森会長は「コロナで世界中が大混乱し、多くの犠牲者も出ている。今までのような華美、豪華なことが多くの人の共感を得られるだろうか」と語ったが、いまさら何だ。

 思い出してほしいのは、「コンパクト五輪」というキャッチフレーズだ。東京五輪は選手村を中心とした半径8キロ圏内に85%の競技会場を配置し、費用も抑えたコンパクトな五輪が一つの売りだった。ところが、招致段階では7300億円だった大会経費は2兆円超まで膨らみ、「コンパクト」なる言葉はいつしか消えてしまった。

 東京五輪の招致が決まった2013年9月のIOC総会で安倍首相は、福島原発事故の問題を「完全にコントロールされている。汚染水は0・3平方キロ内でブロックされている」と説明。立候補ファイルには「この時期の(東京の)天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」とあるが、すべて嘘である。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

    西武フロントの致命的欠陥…功労者の引き留めベタ、補強すら空振り連発の悲惨

  2. 2
    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

    西武の単独最下位は誰のせい? 若手野手の惨状に「松井監督は二軍で誰を育てた?」の痛烈批判

  3. 3
    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

    巨人・小林誠司の先制決勝適時打を生んだ「死に物狂い」なLINE自撮り動画

  4. 4
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  5. 5
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  1. 6
    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

    日本ハムは過去2年より期待できそう 新外国人レイエスが見せつけた恐るべきパワー

  2. 7
    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

    大谷はアスリートだった両親の元、「ずいぶんしっかりした顔つき」で産まれてきた

  3. 8
    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

    【中日編】立浪監督が「秘密兵器」に挙げた意外な名前

  4. 9
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  5. 10
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗