著者のコラム一覧
岡邦行ルポライター

1949年、福島県南相馬市生まれ。ルポライター。第3回報知ドキュメント大賞受賞。著書に「伊勢湾台風―水害前線の村」など。3・11後は出身地・南相馬中心に原発禍の実態を取材し続けている。近著に「南相馬少年野球団」「大島鎌吉の東京オリンピック」

日本人初の8mジャンパーは引退後、企業戦士から帰らぬ人に

公開日: 更新日:

 生前、京都に出向いた私の取材を受けたときは、山田を指導した思い出の知恩院に案内。84段の石段を見上げながら語った。

「山田は私を背負い、何回も何回もこの石段を往復することもあった。南部忠平さんの7メートル98の記録を抜き、8メートルジャンパーになるためにね。達成したとき?そりゃあ、2人して大声で泣いたなあ……」

 取材後、朝隈は私に1冊の本を手渡した。山田が32歳の74年に上梓したもので、直筆サイン入りの本のタイトルは「スポーツ馬鹿 地獄へのジャンプ『8m』」(講談社)であった――。

▼やまだ・ひろおみ 1942年、愛媛県生まれ。順天堂大学卒業後に東急電鉄入社。70年に39年ぶりに日本記録を更新し、日本人初の8メートルジャンパーとなる。東京、メキシコ五輪陸上走り幅跳び代表。

【連載】東京五輪への鎮魂歌 消えたオリンピアン

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束