藤川引退危機で阪神は岐路に…巨人垂涎のFA中日大野に照準

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「引退に追い込まれる可能性は否定できない」

 阪神OBが言う。

 先日、右上肢のコンディショニング不良で今季2度目の登録抹消となった阪神の藤川球児(40)のことだ。ここまで11試合に登板し、1勝3敗2セーブ、防御率7・20。開幕直後に右肩の不調で登録抹消され、それから2週間弱で一軍再登録されるも調子は上がらず、去る13日に再び二軍降格となった現状に冒頭のOBが、

「ストレートがシュート回転し、球児の最大の武器である球のキレが損なわれている。平田二軍監督は右肘の状態も気にしていて、1度目の抹消の理由となった肩に加え、肘のダメージも大きいようだ。球児はメジャー時代にトミー・ジョン手術を受け、右股関節にも古傷を抱えている。ソフトバンクの守護神であるサファテは、右股関節を痛めて以降、全く投げることができずに今季限りでの引退が確実になっている。満身創痍の球児も極めて厳しい状況にあるといっていい」

 と言うのである。

 メディカルトリート代々木治療室院長でスポーツ障害が専門の若月順氏は、「直接診察したわけではないので」と前置きした上でこう解説する。

「右上肢とは右腕全体のことを指します。そもそも右肩の状態が上がらなかったのは、コロナの感染拡大に伴う活動自粛により、屋外での練習期間が少なく、調整が追い付いていなかったことが原因だと考えられます。大きなケガではなく、単に肩や肘の状態が整わないだけなら、数週間でリハビリから抜けられるのではないか。ただその場合も、年齢とともに筋力やいろんなものが落ちてくる。ボールのキレ、回転で真っ向勝負する投球スタイルからの変更が必要かもしれません」

 藤川は開幕直前に腰痛も訴えている。

「股関節の状態が影響している可能性は否定できません。下半身が使えないと上体に頼った投げ方になり、肩肘への負担が大きくなります。西武松坂大輔投手も、レッドソックス時代に右股関節を痛め、上体に頼る投げ方になった。もし、股関節のことを気にかけているとすれば、負荷の大きいトレーニングや、精密な投球動作を要するトレーニングはできない。復帰まで多くの時間を要するケースも考えられます」(若月院長)

4人合計で8・25億円

 藤川は名球会入りの条件となる日米通算250セーブまで残り5セーブに迫っている。大記録達成への意欲も高いようだが、高齢の藤川だけに、肩や肘、古傷の状態次第では手術や今季限りでの引退も視野に入ってくる。

「藤川が仮に手術をした上での復帰を望んだとしても、球団がそれを認めるかどうかは微妙な状況です。大記録達成によるグッズの売り上げは見込めますが、阪神はコロナ禍によって、大幅な収入減が確実。ただでさえ高給取りのベテランは厳しい立場に置かれる中、福留孝介(43)、糸井嘉男(39)、能見篤史(41)の3人もさすがに衰えを隠せない。チーム周辺では、『例年と比べて補強費の捻出が難しくなる以上、4人の年俸を合わせた8・25億円をこれに充てるべき』との声も出ています」(前出のOB)

 阪神が編成面でまず重視しているのが、早ければ来季中に国内FA権を取得する捕手の梅野隆太郎(29)の引き留めだ。2年連続ゴールデングラブ賞の守備力に限らず、今季は打率・299と打撃面の貢献度も高い。今季年俸1億円からの大幅アップと複数年契約の提示が必要不可欠だろう。

「FA参戦も視野に入れています」とは、別の阪神OB。

「今季、国内FA権を取得する中日の大野(雄大=31)は昨オフの契約更改で3年契約の提示を断り、単年契約を結んだ。今季は3勝3敗ながら、防御率3・02はリーグ4位。66奪三振はリーグトップです。京都府出身で祖父の影響もあり子どものころからの阪神ファンとあって、阪神も動向を注視しています。通算5勝12敗とカモにされている上に、西とのダブルエースが組めれば、投手力を中心とした、より安定した戦いができます」

原巨人が垂涎

 大野を巡っては巨人も高い関心を示しているといわれている。今オフはエースの菅野智之(30)がポスティングによるメジャー挑戦の可能性がある。巨人は今季、大野に対して1勝2敗、防御率1・08に抑えられている上に、自軍の先発投手のQS(クオリティースタート)率も50%を切っている。長いイニングを投げられるだけでなく、左投手を重視する原監督も、大野に興味津々だともっぱらだ。

「阪神はあらゆる状況に備え、先日ノーヒットノーランを達成したヤクルトの小川(泰弘=30)や、藤川、能見の衰えが著しいリリーフ陣を強化すべく、西武の守護神・増田(達至=32)の調査も並行して進めているようです」(前出のOB)

 コロナ禍に終息の兆しが見えなくとも、来季もシーズンは続く。藤川を含むベテランの進退問題や、新たな補強の必要性を鑑みても、阪神がチームづくりにおいて大きな岐路に差し掛かっていることだけは間違いない。 

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