山田隆道
著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

ベテランの存在感が薄いからこそ阪神は世代交代ができる

公開日: 更新日:

 だからこそ、今季は福留孝介糸井嘉男の外様ビッグネームコンビの存在感が薄い。2人とも年齢的に衰えてくるのは当然だから、今季の不振は仕方ないとしても、それがチーム成績にあまり響いていないところが、これまでとの大きなちがいだろう。もしかすると2人は今オフに進退を迫られるかもしれないが、ある意味ではそれも理想的な新陳代謝だ。福留と糸井がいるうちに、大山と近本が出てきたのだ。

 一方、投げてはFAエース・西勇輝がさすがの投球で先発ローテを支えてくれているうちに、17年ドラフト2位の高橋遥人が大器の片鱗を見せ始めた。奪三振能力の高い背番号29の本格サウスポーといえば、00年代のエース・井川慶を思い出す。若手時代の井川に感じた大きな可能性と胸の高鳴り、今の高橋はあのころの興奮の再来だ。

 そのうえ、悩める藤浪晋太郎がリリーフ転向後にかつての藤川球児のようなえげつない剛球を連発し、ここ数年にはなかった笑顔を見せるのだから、たまらないものがある。もしや球児2世は藤浪になるのかなんて思いながら、それも高橋のエース道とセットになるなら味わいは倍増する。

 だから、今季限りで引退する藤川球児や同じく進退が危うい能見篤史についても、心置きなく世代交代だと受け止められる。先述した福留と糸井に加え、藤川と能見も今季の阪神ではあまり活躍が目立たない。それは寂しいことなのだが、良いことでもあると思う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

    花巻東時代は食トレに苦戦、残した弁当を放置してカビだらけにしたことも

  2. 2
    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

    「ダルよりすごい」ムキムキボディーに球団職員が仰天!プロ3、4年目で中田翔より打球を飛ばした

  3. 3
    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

    裏金自民に大逆風! 衆院3補選の「天王山」島根1区で岸田首相の“サクラ”動員演説は大失敗

  4. 4
    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

    22年は尻回りが推定1.5倍に増大、投げても打ってもMLBトップクラスの数値を量産した

  5. 5
    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

    若林志穂が語った昭和芸能界の暗部…大物ミュージシャン以外からの性被害も続々告白の衝撃

  1. 6
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  2. 7
    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

    WBCの試合後でも大谷が227キロのバーベルを軽々と持ち上げる姿にヌートバーは舌を巻いた

  3. 8
    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

    大谷の2023年は「打って投げて休みなし」…体が悲鳴を上げ、右肘靭帯がパンクした

  4. 9
    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

    「横浜愛」貫いた筒香嘉智 巨人決定的報道後に「ベイスターズに戻ることに決めました」と報告された

  5. 10
    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う

    河野太郎大臣「私は関わっておりません」 コロナワクチン集団訴訟で責任問う声にXで回答…賛否飛び交う