著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

“阪神の怪物新人”佐藤輝明に見る金本監督時代の「超変革」

公開日: 更新日:

 それにしても、阪神はどうしたのだろう。かつての阪神といえば「帯に短し襷に長し」の小器用なピストル打者を大量生産することが特徴だったのに、近年は大山と佐藤といい、2年目の井上広大といい、大砲タイプを次々に輩出している。

 これについて思い出されるのは金本知憲前監督だ。2016年に就任した当初の金本監督は超変革をスローガンに掲げ、若手選手の積極起用を推進。中でもドラフト戦略は金本監督以前と以後では大きく変わった。以前はドラフト1位を即戦力投手で固めることが多かったが、金本以降の6年間のドラフト1位は6人のうち4人(高山俊大山悠輔近本光司佐藤輝明)が野手。高校生投手の西純矢を1位指名した19年も、2位は先述した井上広大だった。

 その結果、大山と近本が中心選手に育ち、佐藤が新たな注目を集めている。その意味では、近年の阪神の変化とは金本時代に掲げられた超変革の一環とも考えられる。金本前監督がまき続けた種を、盟友・矢野燿大監督が育てているのだ。

 これはもう、本気で期待するしかない。私は心配性だから、この佐藤の活躍を見せられても、ひょっとして他球団はわざと佐藤に打たせているのではないか、そうやってデータを収集しているのではないか、などと勘繰ってしまうのだが、考えすぎないようにしたい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景