阪神“出来過ぎドラ1”佐藤輝 開幕直前のパンク寸前に悲鳴

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 阪神ドラフト1位の佐藤輝明(22=近大)が、疲労蓄積によりオープン戦の最終戦(21日オリックス戦)を欠場したことが波紋を呼んでいる。

 オープン戦の最終戦は通常、ベストメンバーで臨むもの。オープン戦で6本塁打を放つなど、結果を残した佐藤の開幕スタメンは以前から決まっていたが、21日は試合前から別メニューで調整し、ベンチ入りすらしなかった。首脳陣は疲労蓄積によって体の張りが出たことが原因とした。

 当初の予定では、佐藤はオープン戦全試合に出場する方針だったという。途中交代した試合もあったものの、欠場するまで全試合に出続けた。矢野監督は、多くの投手と対戦し、守備の経験を積ませる意味もあり、できる限り試合にフル出場させたかった。

 とはいえ、佐藤はあくまで新人だ。年間を通して試合に出続けた経験はない。首脳陣もキャンプ中、体力面に課題があると指摘していた。「最後の最後に、試合に出続けた反動が出たのでしょう」と、ライバル球団の関係者がこう続ける。

■ケガの疑念

「オープン戦最終戦というのは、疲れがあるという理由だけで欠場するものではありません。直前のオリックスとの2試合は無安打だった上に、右翼守備で失策もしている。その後、数日は打撃練習を回避してもいる。どこかケガをしているのかもしれない。打つことに影響が出るほど、体に強い張りが出たという話も聞きます。背中や足に軽いケガを抱えている可能性もゼロではないでしょう」

 キャンプから二軍暮らしが続いた守備要員の江越が一軍に合流したのも、「佐藤の守備固めを見据えたものではないか」(阪神OB)との指摘もある。前出の関係者が続ける。

「矢野監督は開幕後、途中交代させたり、数試合に1回は欠場させたりしながら、様子を見ていくのかもしれませんが、ここまで適度な休養を与えながら使っていれば、オープン戦の最後の欠場はなかったかもしれない。戦力として計算している黄金ルーキーが故障でもしていようものなら、ウチなら首脳陣やトレーナーの責任問題に発展します」

新人離れした落ち着き

 開幕直前にパンク寸前という状況に、阪神周辺では悲鳴が上がっているという。

「佐藤はすでに、チームに欠かせない存在になっていますからね」

 とは、球団OBだ。

 昨年まで貧打に悩んできた阪神は、佐藤の加入により、打線に厚みが増した。オープン戦は9勝2敗2分けの首位で、その原動力となったのは打線だった。佐藤は12球団最多の6本塁打をマーク。チーム打率・267、17本塁打は12球団トップだった。佐藤が公式戦でもバカスカ打つ保証はないが、オープン戦では相乗効果をもたらしていた。前出のOBが続ける。

「佐藤はすでに2年、3年とレギュラーでプレーしてきたかのような堂々たる立ち居振る舞いをしている。打席に入るまでの落ち着きはもちろん、ノックを受けている身のこなしもそうです。バタついたりせず、周りを気にすることなく、マイペースでやっています。コーチから指導を受ける際もフランクで物おじしない。先輩選手から『メディアに踊らされるな』とクギを刺されているそうで、浮かれている様子もない。すでにチームに欠かせない存在といっていい」

■グッズバカ売れ

 フロントも佐藤の状態に気を揉んでいるようだ。

 スポーツ各紙の報道によれば、今季初めて甲子園で試合が行われた3月9日(広島戦)のグッズショップと直営店では、佐藤グッズの売り上げが2割を占めたという。実際、オープン戦で打席に立つと、佐藤タオルを掲げるファンの姿が目立った。

「今季もコロナ禍で観客動員が制限される中、球団としてはグッズの売り上げが重要な収入源です。かつて、藤浪が新人の頃、登板試合は連日満員。二軍施設の鳴尾浜球場にすら、看板広告のオファーが届いた。佐藤は野手だから、毎試合プレーを見ることができる分、集客効果は藤浪以上。広告、宣伝スポンサーも黙っちゃいないでしょう。阪神では新人の広告出演は原則禁止ですが、すでにオファーを検討している企業もあるようです。球団としても、全国的な注目度が高い佐藤を前面に押し出したいが、ケガで離脱してしまえば元も子もありませんからね」(広告代理店関係者)

 この日の佐藤は、甲子園球場の室内でフリー打撃を再開。開幕戦は出場する見通しだという。「無理は絶対に禁物」と願っているのは阪神ファンばかりではないようだ。

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