佐藤輝の躍動で阪神開幕3連勝 優勝への不安材料は矢野采配

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巨人はエース菅野に不安

 気の早いファンは、「今年は優勝や!」と大盛り上がりだが、そこで気になるのが優勝争いの最大のライバル・巨人だ。

 開幕前の評論家諸氏による順位予想では、昨季リーグ連覇した巨人を優勝に推す声が多かった。DeNAからFAで獲得した梶谷と井納が加入し、メジャー挑戦を目指したエースの菅野も残留した。阪神と同様、年俸約3億円で獲得したスモーク内野手ら新助っ人が合流すれば、戦力的にもリーグ3連覇は揺るぎないというのだが、巨人OBは「問題は投手陣でしょう」と、こう続ける。

「DeNAに2勝1分けと勝ち越したものの、菅野は開幕戦で初回に3点の援護をもらいながら、6回3失点とピリッとしなかった。昨季、14勝2敗で12個もの貯金をチームにもたらした大エースですが、今季はその疲労を考慮され、キャンプからスロースタート。今後、調子を上げていったとしても、開幕から13連勝した昨季のような大活躍は難しいかもしれません。2戦目の戸郷、3戦目の今村が好投したのが救いとはいえ、リリーフ陣は初戦、2戦目とも4失点と不安が残ります。昨年、阪神に16勝8敗と大きく勝ち越したのは、阪神打線を打率.222、74得点と抑え込んだことが大きい。今年の阪神は打線がいいだけに、大きく勝ち越せる保証はありません」

 阪神は昨季、巨人以外の4球団には勝ち越している。巨人といい勝負ができれば、優勝のチャンスは大いに高まる。

■梅野を固定せよ

 阪神ファンのひろさちや氏(宗教評論家)は、「昨年、巨人相手に開幕3連敗したことを考えれば、この上ないスタートです」と笑顔の一方、「不安があるとすれば矢野監督の采配でしょう」と、こう続ける。

「特に、捕手の梅野の起用です。ぜひとも試合で使い続けてほしいですが、昨年の開幕3連戦は、2、3戦目にスタメンから外れ、3連敗を喫した。矢野監督は必ずしも捕手を固定することがベストだと考えていないようだし、梅野に対して全幅の信頼を置いていないのでしょう。梅野が打撃で調子を崩したり、守備でミスが出たりしたときに、捕手をコロコロと代えるんじゃないかという心配がある。梅野ほどの実力があれば、信頼して使い続ける他ないんですけどね」

 過去2年間の矢野監督は、チーム状態がいいときはまだしも、チーム状態が悪くなると途端にバタバタし出したり、采配が裏目に出たりする傾向がある。在阪の評論家からも、「巨人との差は戦力ではなく、マネジメント力の差」と指摘する声もある。昨年9月、巨人との直接対決に敗れ、マジック「38」を点灯させた試合では、2点を追う七回無死一、二塁の好機で、2番梅野にバスターエンドランを指示して失敗。チャンスがついえたのは記憶に新しい。阪神OBが言う。

「矢野監督は選手任せのところがある。初回無死一塁で、相手の先発投手が制球に苦しむ中でも、判で押したように犠打を指示するケースが少なくない。リードされて迎えた試合終盤、得点圏に走者を送ることにこだわりすぎるのか、打撃好調の打者にバントさせ、得点圏打率の低い打者につないだりする。対戦相手のデータや、個々の選手の調子の良し悪しまで、しっかり踏まえた上で指示をしているのかどうか疑問が残る。長いシーズン、チーム全体で好不調の波はある。佐藤輝が調子を落としたり、ケガ人が出たりしたときに、ハンドリングを間違えなければいいのですが……」

 阪神の優勝は、なんだかんだで矢野監督次第か。

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