楽天マー君“初登板”先送り 男気とメジャー復帰のジレンマ

公開日: 更新日:

 最短での復帰はかなわなかった。

 7日、右足ヒラメ筋の損傷でリハビリを続ける楽天田中将大(32)の初登板が、さらにズレ込むことになった。

 開幕2戦目の先発を回避した田中は、抹消後も一軍に帯同しつつ、10日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)の先発を目指していた。しかし、石井監督はこの日、状態の悪化については否定した上で、今後に考慮し、復帰を延期すると説明。17日の日本ハム戦(東京ドーム)での先発が有力視されるが、状況次第で前倒しする可能性もあるという。

 楽天OBは「田中はジレンマを抱えていることでしょう」とこう話す。

「年俸9億円+出来高という破格条件で、ファンの期待を一身に背負って古巣へ復帰した。オフのメジャー再挑戦も視野に入れる一方で、『腰かけ』と思われないためにも、誰より本人が早く投げたいと思っている。ただ田中は、下半身に不安を抱えている。過去に何度か太ももを故障しているだけでなく、ふくらはぎを構成するヒラメ筋を肉離れしたのは初めてのはず。年を重ねるにつれ、肉離れは再発しやすくなる。ふくらはぎは膝やアキレス腱とつながっているため、無理をすれば膝や足首を大ケガしかねない。メジャー復帰はおろか、今後の野球人生にも影響するため、万全を期したい。かつてヤンキースから広島へ復帰した黒田博樹のように、古巣で燃え尽きるわけにはいかないのです」

 ともあれ、気を持たせておきながら、登板延期を繰り返すことだけは避けてもらいたいものだが……。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  5. 5

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  1. 6

    ドジャース内野手ベッツのWBC不参加は大谷翔平、佐々木朗希、山本由伸のレギュラーシーズンに追い風

  2. 7

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  3. 8

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  4. 9

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する