西武・平良は「柔軟さ」と「力強さ」を併せ持つ希有な選手
平良海馬(西武・21歳・4年目)
西武の平良海馬(21)は開幕から連続無失点記録を「33試合」に伸ばし、日本記録を樹立。シーズン途中から抑えに配置転換され、もっか1勝無敗、21ホールド7セーブだ。侍ジャパンにも選出された若き投手の素顔に迫る。
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「正直、最初の頃は『ボールが速いけど不器用そうだ』と思っていました。でも、見た目にだまされちゃダメだと痛感させられた選手でもあります」
こう話すのはスポーツライターの安倍昌彦氏。「流しのブルペン捕手」として知られる氏だが、平良のボールを受けたことはない。西武から2017年のドラフトで4位指名を受けるまで、全国的にはそこまで名が知られた選手ではなかった。
「私が初めて平良を見たのは二軍戦。彼がまだ駆け出しの頃でした。当時もコンスタントに150キロを超えるボールを投げていましたが、ああいう体形(173センチ、100キロ)なんでそこは想定内。何より驚いたのは、マウンドさばきとフィールディングです。三塁線際のセーフティーバントの処理の正確さ、牽制時の体の切り返し、ピッチャー返しに対する反応……。さらにタテに鋭く落ちる変化球の質も目を見張るものがあった。実際のプレー姿を見るまでは『球が速いだけの力持ち』と思っていましたが、投手の仕事をすべてソツなくこなせていることに驚かされました」