五輪後半戦、米メディアが「イチャモン」から「イケイケ」に転じた謎解き
オリンピックは後半戦に突入。米国は現在、獲得したメダルが59個で国別ではトップに立っている。
そうなればもう、これまでやたらとコロナ禍でのオリンピック開催や金権まみれの大会運営、IOC会長を「ぼったくり男爵」(ワシントン・ポスト紙)と呼ぶなどいちいちケチをつけていたメディアの報道もすっかり息を潜め、競技を伝える記事にはイケイケ感が漂っている。
そんな中、たまたまスイッチをつけて見たNBC(オリンピック放映権を持つ全米3大ネット局のひとつ)の「The Tоday Shоw」という朝のバラエティーショー。出演者は皆日本に行っているらしく、東京のスタジオで繰り広げられる“おバカ”の入ったトークショーなのだが、この日は4人の出演者がバスに乗ってコロナ禍の東京の街に繰り出すという演出だった。
車窓に見える東京タワーに大はしゃぎ、渋谷の交差点では道ゆく人に手を振り、振り返され、またそこでは世界で一番忙しいと言われるスターバックスからそこにしかないオリジナルのドリンクを出前で注文し、うまいうまいと。その後は浅草の浅草寺に向かい、そこでも着物姿の2人の日本人女性に和菓子の出前を注文し、またしてもうまいうまい。決して誰もバスから降りないところが、東京が緊急事態宣言下であることを見る側にほのめかすと同時に、はしゃぎながらも実はしっかりとコロナ禍を警戒する米国人の“狡猾さ”が見え隠れする。ま、それはともかく、このオリンピックを存分に楽しもうということなのだろう。