著者のコラム一覧
六川亨サッカージャーナリスト

1957年、東京都板橋区出まれ。法政大卒。月刊サッカーダイジェストの記者を振り出しに隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長を歴任。01年にサカダイを離れ、CALCIO2002の編集長を兼務しながら浦和レッズマガジンなど数誌を創刊。W杯、EURO、南米選手権、五輪などを精力的に取材。10年3月にフリーのサッカージャーナリストに。携帯サイト「超ワールドサッカー」でメルマガやコラムを長年執筆。主な著書に「Jリーグ・レジェンド」シリーズ、「Jリーグ・スーパーゴールズ」、「サッカー戦術ルネッサンス」、「ストライカー特別講座」(東邦出版)など。

爆撃機ミュラーが見たくて真冬の国立競技場で寝袋にくるまった高2の冬

公開日: 更新日:

 キッカーはヨハン・ニースケンス。彼はGKゼップ・マイヤーの守るゴールに向かい、右足インステップの強シュートをど真ん中に決めた。

 それまでPKは、左右上下の隅をインサイドキックで正確に狙うというのがセオリーだった。

 例外は1976年のユーロ(欧州選手権)決勝でチェコスロバキア(当時)のアントニーン・パネンカが決めたチップキックくらいだろう。

 GKがシュートコースを読んで左右に動くことを見越しての強シュートだったが、このニースケンスのPK以降は「ど真ん中のシュートもあり」となり、キッカーの選択肢が増えたという意味に置いては、画期的なシュートといっていい。

 試合は前半25分、ドリブラーのベルント・ヘルツェンバインの突破をビム・ヤンセンが倒して西ドイツがPKを獲得。これをパウル・ブライトナーがセオリー通りに左下隅にきっちり決め、同点に追い付いた。

 43分である。右サイドを突破したライナー・ボンホフのマイナスの折り返しをゴールのニアサイドに詰めていたミュラーは、トラップしたボールを自身の後方に置き、すかさず戻りながら反転して右足シュート。

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