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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみの「メンタルヘルス」は完璧 全米OPの優勝候補だ

公開日: 更新日:

■エージェントの失策

 一連の騒動は大坂の考えとは違う方向に発展したと本人が話している。5月のローマで初戦敗退した試合後、苦手なクレーコート対策をしきりに聞かれた。ローマは全仏の前哨戦という位置付けだから当然だったが、これが頭にこびりついてしまった。全仏前の会見を断った際に、「メンタルヘルス」と難しい言い訳をつけて問題が飛躍した。真面目というか若いというか、ツアー内の競争が激化し、二十歳そこそこでどんな大会にでも勝てるような時代ではない。その証拠に、全仏の優勝者は2014年から8年間、毎年違う。適当に答えておけばいいのに、それが出来ない。

 初めて全米の本戦に上がった5年前のこと。メインの会見場に呼ばれた大坂は小さくなって聞こえないくらいの小声で答えていた。会見場の隅で、母親と姉が固唾をのんでその様子を見守っていた――二十歳そこそこで年収60億円。そんな世界を若い選手や家族が知るはずがなく、今回はエージェントの失策としか言いようがない。

 というわけで、メンタル問題はただのコートサーフェス問題。全米はクレーでも芝でもない大好きなハードコートだ。次々と難敵を、思いきし叩きのめしてくれるのではないか。

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