巨人守護神ビエイラ抹消の緊急事態!原監督“独善采配”と中田翔の“副反応”でベンチもムード最悪

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 巨人に緊急事態発生である。

 守護神のチアゴ・ビエイラ(28)が9日、右肘の違和感で出場選手登録を抹消された。来日2年目の今季途中から抑えに回り、0勝1敗16セーブ、防御率2.54。5月3日の広島戦から9月1日のヤクルト戦まで32試合連続無失点の外国人新記録を打ち立て、7、8月の月間MVPに選ばれた。

 しかし、翌2日のヤクルト戦で33試合ぶりに失点。首位攻防の4日の阪神戦では1点リードの九回に登板し、1死も奪えずに大山に逆転サヨナラ2ランを浴びた。9日の試合前まで、リーグ6位タイの46試合に登板。首脳陣は3連投を避けるよう配慮していたものの、登板過多が原因の可能性もある。

 この日のDeNA戦で早くもその影響が出た。2―3の八回に4番手として登板したセットアッパーのデラロサが3連打を浴びて2失点。九回に丸の26打席ぶりの安打などで何とか同点に追いついたものの、原辰徳監督(63)が「日頃の練習量は並じゃない。尊敬に値する」とまで言う絶対的守護神不在が響いた格好だ。今季ワーストタイの4連敗中、6試合勝ち星なしという最悪のタイミングでの抹消となった。

■山崎裕之氏は“猫の目”起用を問題視

 重苦しいムードに拍車をかけているのが、編成面を含めた「全権」を持つ原監督の「独善采配」である。

 物議を醸したのは5日の阪神戦だ。6―0の六回の守備から主将の坂本勇人(32)をベンチに下げると、遊撃に入った若林と広岡がそれぞれ失点につながる失策を犯し、そこから6失点。負けに等しい引き分けになり、原監督が「私自身の用兵ミス」と認める悪手だった。名球会会員で現役時代にゴールデングラブ賞を3度受賞した山崎裕之氏がこう指摘する。

「勝っている試合の終盤に主力を休ませるのは、原監督がよく使う手ではありますが、坂本は生え抜きの大黒柱。首位攻防の1、2戦目はいずれも逆転で嫌な負け方をしていたため、3戦目は確実に勝ちたかったはず。しかも、代わった若林がエラーをすると、すぐに一塁へ回し、“3番手”遊撃手として広岡を起用した。あれでは出ていく広岡も守りにくいでしょう」

 山崎氏が続ける。

「今年はカウントの途中で投手を代えることがよくありますが、バタバタ動き過ぎるから、チームが落ち着かない。普段の巨人は守備陣やリリーフ陣がしっかりしているため、変な逆転負けが少ないが、今はそれができていない。猫の目で選手を起用する原監督の采配によるところが大きいのではないか」

中田翔入団から5勝8敗5分け

 そもそも、チームメートへの暴力行為で出場停止処分を受けた日本ハム中田翔(32)を無償トレードで獲得したことがケチのつき始めだ。さる球界関係者がこう言った。

「球団内では賛否両論というより、圧倒的に反対意見が多かったそうです。大塚球団副代表は『(原監督が)もう一度生かす。リーグ3連覇もあるし、力になってくれる、という話はしていた』と明かしているように、原監督のほぼ独断で電撃入団が決まり、すぐに一軍練習に合流した8月20日から巨人は5勝8敗5分けとブレーキがかかった。この日スタメンだった中田は1安打で移籍後は38打数6安打、打率は.158。戦力にはなっているとは言えない上、思い詰めた表情でベンチにいるだけで雰囲気が暗くなっている。中田に侵食された“副反応”ともっぱらです」

■V逸2015年は采配ミスで苦情電話が殺到

 今季同様、ヤクルトと阪神と激しく争い、2位に終わった2015年も、原監督の采配ミスが度々取り沙汰された。

「8月終盤の広島戦で、投手の田口に奇襲といえるスリーバントスクイズのサインを出して失敗。敗れた試合後、球団事務所に苦情の電話が殺到したことがあった。終盤に捕手の小林に代打を出した後に逆転負けを食らい、テレビ出演した野村克也氏に『うまく呼吸が合ってるのに、なんでキャッチャーを代えるの。配球が変わるわけだから、さっぱりわからない』と苦言を呈された試合もありました」(前出の関係者)

 原監督は「できることをしないで手遅れになることが最悪」と言い切る。勝っている時は称えられる一方で、指揮官の独善采配が足を引っ張り、V逸した年も多い。首位阪神を追う最近の原采配には、そんな傾向が如実に表れている。

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