照ノ富士もビックリ! 業師・宇良が初の結びで見せた「執念のブリッジ」

公開日: 更新日:

 何という勝負根性か。

 平幕の宇良(29)が21日、自身初の結びの一番で魅せた。

 相手は横綱照ノ富士。立ち合いから低い姿勢で攻めるも、そこは動じない横綱。宇良は右腕をアームロックばりにきめられながら半身の状態で肩透かし、足取りなど技を繰り出すも不発。何とか腕を外すと、レスリングのように互いに睨み合った。

 再び組み合い、肩越しに左上手を取られると万事休す。強引に投げられ、宇良の体が裏返って決着――と、思われたが、そこは希代の業師。なんと右手で照ノ富士のまわしを掴んでブリッジの体勢で食らいつき、1歩、2歩と横綱から離れない。結局、背中から落ちたものの、最後まで諦めない執念に観客も拍手で称えた。

 照ノ富士同様、幕内から序二段まで落ち、そこから再び這い上がってきた不屈の力士。

 入門当初は105キロだった体重も、計画的に増やして現在は147キロだ。

「宇良が並の力士と違うのは、柔軟な体を生かした粘りです。過去には土俵際でイナバウアーばりに背中を反らした状態から逆転したり、蹲踞さながらの姿勢から反撃したこともある。ただし、無理な姿勢で粘るとケガにつながる恐れもある。2017年9月場所で右ヒザの前十字靱帯を断裂したのも、右足一本で残そうとしたからです。それでも宇良自身は『昔から相手より先に落ちるなと教わってきた。負けたくないですから』と、言っても聞かない。こればかりは本人の性分ですからね」(ある親方)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘