著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

今季限りで現役引退「22」の負け越しに見る働き者・岩田稔の勲章

公開日: 更新日:

 16年ぶりのリーグ優勝を狙う2位・阪神が毎日しびれるような戦いを続けている。特に先週末の中日3連戦3連勝は見応えがあった。伊藤将司、高橋遥人、ガンケルの先発陣がみんな好投し、大山悠輔とマルテの主砲2人が打つべきところで打ってくれた。首位・ヤクルトがなかなか負けてくれないのが厄介だ。

 そんな中、寂しいニュースもあった。37歳のベテラン左腕・岩田稔が現役引退を発表。昨年引退した藤川球児、同じく退団した能見篤史鳥谷敬に続いて、ついに岩田もユニホームを脱ぐ。ご存じ、00年代から10年代の阪神の先発ローテを支えた功労者の一人だ。

 岩田は決してエースではなかった。06年にドラフト希望枠で阪神に入団した当時は先発ローテの筆頭にエース・井川慶が君臨しており、その井川が渡米して以降も下柳剛、福原忍、安藤優也、能見篤史、ランディ・メッセンジャーといった投手たちがローテの中心を担っていた。岩田はそんな彼らのうしろで、ローテの端っこを守りながら投げている印象だった。

 2ケタ勝利を挙げたのは10勝を記録した08年の1回のみ。だけど、そこから15年までの8年間で、100投球回以上が6回、規定投球回に達したのが5回。この中で彼のキャリアハイを挙げろと言われれば、私は先述の08年ではなく、9勝13敗と負け越した11年だと主張したい。この年の岩田がマークした防御率2.29は、チームトップの12勝を挙げた能見(防御率2.52)とメッセ(同2.88)より優れていた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    大山悠輔が“巨人を蹴った”本当の理由…東京で新居探し説、阪神に抱くトラウマ、条件格差があっても残留のまさか

  2. 2

    ヤクルト村上宗隆と巨人岡本和真 メジャーはどちらを高く評価する? 識者、米スカウトが占う「リアルな数字」

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    巨人・岡本和真の意中は名門ヤンキース…来オフのメジャー挑戦へ「1年残留代」込みの年俸大幅増

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  1. 6

    西武激震!「松井監督休養、渡辺GM現場復帰」の舞台裏 開幕前から両者には“亀裂”が生じていた

  2. 7

    阪神・大山悠輔「5年20億円」超破格厚遇が招く不幸…これで活躍できなきゃ孤立無援の崖っぷち

  3. 8

    ポストシーズンの分配金が示す光と陰…一般職員の年収は約5万ドルで平均未満、“やりがい搾取”の一面も

  4. 9

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  5. 10

    《門田博光の巻》「打撃の求道者」は練習方法もケタ外れだった…僕が地獄を見た“10分”の要求

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁