著者のコラム一覧
山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

阪神岩田は新生タイガースに唯一残る前時代のノスタルジー

公開日: 更新日:

 阪神のベテラン・岩田稔が15日のウエスタン・リーグ広島戦で今季初先発を務めた。結果は3回2安打無失点の好投。低めの変化球を打たせて内野ゴロに仕留める老獪な投球は健在だった。

 それにしても、現在セ・リーグ首位を走る阪神において、二軍戦に先発する岩田の姿にはどこかノスタルジックな感傷があった。なにしろ一軍の主力選手のほとんどは金本知憲監督時代以降に入団した生え抜きの20代。近年のドラフトの成功と、それによる若返りこそがチーム強化の大きな要因である中で、プロ16年目、37歳の左腕がマウンドに立ったのだ。

 若いころの岩田といえば、2000年代後期から10年代中期にかけて先発ローテの一角を担った技巧派サウスポーだった。井川慶、能見篤史、メッセンジャーといった時のエースの陰に隠れて決して目立つタイプではなかったが、防御率は常に2点台~3点台という妙な安定感が売りだった。

 特にナゴヤドームでの中日戦には強く、当時の中日打線は岩田の微動するボールに手を焼いてゴロの山を築いていた印象がある。それでも勝ち運がないものだから、投手戦の末に「0―1」とか「1―2」とかで敗戦投手になることが多かったのも思い出深い。09年のWBC日本代表に選ばれたのがハイライトか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    年収1億円の大人気コスプレーヤーえなこが“9年間自分を支えてくれた存在”をたった4文字で表現

  2. 2

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  3. 3

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  4. 4

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  5. 5

    山尾志桜里氏“ヤケクソ立候補”の波紋…まさかの参院選出馬に国民民主党・玉木代表は真っ青

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題?

  2. 7

    フジテレビCM解禁の流れにバラエティー部門が水を差す…番宣での“偽キャスト”暴露に視聴者絶句

  3. 8

    国分太一は“家庭内モラハラ夫”だった?「重大コンプラ違反」中身はっきりせず…別居情報の悲哀

  4. 9

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒