巨人が異例人事を断行! 阿部二軍監督の昇格は“禅譲”にあらず、原続投これだけの理由

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 巨人が異例の人事を断行した。

 阿部慎之助二軍監督(42)が5日、一軍作戦コーチに配置転換となった。代わりに二岡智宏三軍監督(45)が二軍監督代行を務め、11日に始まるフェニックス・リーグの指揮を執る。石井琢朗一軍野手総合コーチ(51)は三軍野手コーチに配置が変わった。

 この日から5.5ゲーム差で追う首位ヤクルトとの3連戦。原辰徳監督(63)は報道陣に「予定通り。(阿部は)二軍や三軍、チーム全体を理解している。去年も(ヘッド代行を)やっている。我々にはない力がある」と説明。二軍の全日程が終了したタイミングで一軍に呼ぶ方針だったという。逆転優勝への「起爆剤」として期待する。

 原監督は今季が3年契約の最終年。次期監督の最有力候補でもある阿部二軍監督が、シーズン最終盤を迎えるこの時期に、一軍のコーチに昇格したことで、「いよいよ禅譲か」「阿部巨人誕生」とかまびすしいが、「いや、来季も原監督が続投する可能性が高い」と、さるチーム関係者がこう言う。

「阿部は2年間、二軍監督を務めたが、球団内には一軍の監督は時期尚早という声が根強い。原監督が続投して来季も指揮を執り、阿部の来季のポストは『一軍ヘッドコーチ』。原監督もかつては、野手総合、ヘッドコーチとして長嶋茂雄監督から帝王学を学んでいます」

由伸監督失敗のトラウマ

 原監督や球団にはトラウマがある。2015年限りで第2次政権を終えた原監督が、その座を高橋由伸に禅譲したものの、巨人は球団ワーストの13連敗を喫するなど、2、4、3位。リーグ優勝から遠ざかり、暗黒時代に突入したからだ。

「由伸は選手兼打撃コーチを1年やっただけで、指導者としての経験や準備期間がほとんどないまま、球団に重荷を背負わされ、潰れてしまった。次の監督選びは慎重にならざるを得ないのです」(前出の関係者)

 確かに今村司球団社長は昨年の日刊ゲンダイのインタビューで「原監督が阿部君に現役を諦めてもらって二軍監督に据えたのは、早く指導者になれということ。原監督自身も長嶋監督のもとでコーチをやって適性を見られていた。仮に松井(秀喜)君がなるにしても、日本でコーチなど指導者の経験をしてからという思いは、関係者みんなが持っている」と語っていた。

 昨年7月、原監督が監督通算1034勝目を挙げた際、巨人の歴代2位タイに並ばれた長嶋終身名誉監督は「『自分の後は原しかいない』『将来のジャイアンツ魂を受け継ぐことができるのは原しかいない』と考え、01年後半戦から最終戦までヘッドコーチだった彼に、こっそり指揮を執らせ、実戦経験を積ませたことは、私の心の中ではひそかな自慢となっています」とコメントした。原監督もこのことは「非常に勉強になった」と感謝している。これを来季、阿部“ヘッドコーチ”に行うというわけだ。同時に、11日の育成ドラフトを見ることになった元木大介ヘッドコーチ(49)は来季、三軍、もしくは二軍監督への横滑りが浮上している。

■来季は15年目の長期政権

 巨人はこの日、試合前まで11勝でリーグ単独トップの高橋が先発したものの、西浦、サンタナに連続ソロ本塁打を浴びるなど、4回途中3失点でKOされた。これでヤクルトとは6.5ゲーム差に広がった。現在、先発ローテーションでフル回転する5人は、中4日や中5日登板を強いられ、ガス欠状態。リリーフ陣も火の車だ。チーム防御率はリーグ4位の3.57。自慢の強力打線も振るわず、チーム打率.246は下から2番目である。投打ともに精彩を欠き、このまま3位で終わるようなら、本拠地・東京ドームでクライマックスシリーズが開催できない事態となる。

 こんなチーム状態でバトンを渡しても“阿部監督”が苦労するのは目に見えている。球団首脳の心配の種はそこなのだ。

 今季の巨人は、大枚をはたいたFAや新外国人選手らの補強組が総崩れ。編成面の「全権」を担う原監督の責任は誰よりも重いはずだが、次期監督を教育するため、契約延長となりそうだ。

 阿部コーチの準備が整うまでの「1、2年のつなぎ」として、通算15年目の来季も原政権は続く。

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