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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

大谷翔平は満票だったが…メジャーで不可解なMVP選出は過去にごまんとある

公開日: 更新日:

 メジャーリーグのMVP投票の結果が18日に発表され、大谷翔平が満票で選出された。大谷は当初から本命視されていたので順当な選出だったが、これまでのMVP投票を振り返ってみると、首をかしげたくなるケースが多々ある。

 2000年以降でもっとも激しいブーイングにさらされたのは02年のア・リーグMVPになったミゲル・テハダ(アスレチックス)だ。なぜなら本命視されていたアレックス・ロドリゲス(A-ROD=レンジャーズ=当時、以下同)より本塁打が23、打点が11少ないのに大差でMVPになったからだ。

 その背景にあるのは、MVPにふさわしいのは大躍進を遂げたチームの牽引車になった選手、という旧式の固定観念だ。その年、アスレチックスはシーズン後半に勢いがついて103勝59敗。それに対しレンジャーズは72勝90敗。当時のMVPの投票権を持つ全米野球記者協会所属の記者たちは、まだ個人成績とチームの勝ち星を関連させて考える習性が抜けていなかったので、大半がテハダに1位票を投じたのだ。

 06年のア・リーグMVPにツインズのモーノーが選出された時もブーイングが湧き起こった。多くのファンがジーター(ヤンキース)の初選出を確信していたからだ。1位票15対12という僅差ではあったが、予想を覆す結果になったのは、記者たちの一部に常に脚光を浴びるジーターを快く思わない感情があり、その票がモーノーに流れたからだ。

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