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友成那智スポーツライター

 1956年青森県生まれ。上智大卒。集英社入社後、今はなきPLAYBOY日本版のスポーツ担当として、日本で活躍する元大リーガーらと交流、米国での現地取材も頻繁に行いアメリカ野球やスポーツビジネスへの造詣を深める。集英社退社後は、各媒体に大リーグ関連の記事を寄稿。04年から毎年執筆している「完全メジャーリーグ選手名鑑」は日本人大リーガーにも愛読者が多い。

大谷翔平は満票だったが…メジャーで不可解なMVP選出は過去にごまんとある

公開日: 更新日:

 11年のナ・リーグMVPライアン・ブラウン(ブルワーズ)はMVPになって3週間が経過した時、大ブーイングにさらされた。薬物検査で筋肉増強剤の成分が見つかり33本塁打、111打点がステロイドパワーの産物であることがバレてしまったのだ。使用を素直に認めてしまえば、50試合出場停止になる。それを何としてでも避けたいブラウンは腕利きの弁護士を雇って無実を主張。それが成功してこの時は逃げ切った。しかし、その13カ月後に常用者であることが発覚し、65試合出場停止になった。

 潔かったのが1996年のナ・リーグMVPケン・カミニティ(パドレス)だ。彼は薬物の常用が発覚した際、自らMVP返上を申し出て次点だったピアザ(ドジャース)にその名誉を与えるよう要望。認められなかったが、すがすがしい印象を与えた。ボンズ、ソーサら薬物汚染選手のつくった本塁打記録は現在カッコ付きの記録になっている。彼らはMVPにもなっているので、カッコ付きの最高殊勲選手ということにすれば、ステロイド全盛期の2001~05年の5年間で、カッコが付かないMVPはイチローとゲレロ・シニアだけになってしまう。

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