照ノ富士が初の全勝V!「1強時代」到来は相撲界にとって吉か凶か

公開日: 更新日:

 強すぎることがアダとならなければいいが。

 28日の千秋楽で大関貴景勝を下し、自身初の全勝優勝を果たした横綱照ノ富士(30)は今回が通算6回目のV。大鵬以来、59年ぶりとなる史上5人目の新横綱からの2連覇という偉業も達成した。

 両ヒザにバクダンを抱えながら、向かうところ敵なし。特筆すべきは14日目の阿炎戦だ。一見、苦戦からの逆転に見えたものの、取組後は「(自分の体を)伸ばさないといけないと。自分が伸びないと相手も伸びてこない」と、話していた。あえて攻めさせることで相手を呼び込み、自分の間合いをつくったのだ。

「『押された』のならば、押されまいと力いっぱい踏ん張るあまり、ヒザに想像以上の負荷がかかりかねない。『押させた』なら心構えもできるし、ある程度は負荷もコントロールできる。実際、今場所は押されても腰を下ろしたままだった。こうなると、怖いのは勤続疲労によるケガだけでしょう」(ある親方)

 来場所も当然、優勝候補の筆頭。しかし、ライバル不在は本人にとっては良くとも、「強すぎて面白くない」とも思われかねない。近年、朝青龍や白鵬(現間垣親方)が一人横綱として土俵を支えたが、相撲人気には結び付かなかった。現在の隆盛はザンバラ髪のイケメン力士・遠藤が登場した2013年あたりから。女性人気が高まり、さらに17年には和製横綱の稀勢の里(現荒磯親方)が誕生。そこからは満員御礼が出ない日の方が少ない、という現在につながる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    コメ増産から2カ月で一転、高市内閣の新農相が減産へ180度方針転換…生産者は大混乱

  2. 2

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  3. 3

    “裸の王様”と化した三谷幸喜…フジテレビが社運を懸けたドラマが大コケ危機

  4. 4

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  5. 5

    ヤクルトのドラフトは12球団ワースト…「余裕のなさ」ゆえに冒険せず、好素材を逃した気がする

  1. 6

    小泉“セクシー”防衛相からやっぱり「進次郎構文」が! 殺人兵器輸出が「平和国家の理念と整合」の意味不明

  2. 7

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  3. 8

    菅田将暉「もしがく」不発の元凶はフジテレビの“保守路線”…豪華キャスト&主題歌も昭和感ゼロで逆効果

  4. 9

    元TOKIO国分太一の「人権救済申し入れ」に見る日本テレビの“身勝手対応”

  5. 10

    “気分屋”渋野日向子の本音は「日本でプレーしたい」か…ギャラリーの温かさは日米で雲泥の差