大谷の来季「ヒリヒリ9月」に黄信号…エンゼルスの同地区ライバルが積極補強で“二刀流包囲網”

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 大谷翔平(27)のエンゼルスが所属するア・リーグ西地区のライバル球団が、積極的な補強を行っている。

 中でも今オフのFAの目玉選手を大枚はたいてかき集めているのが、今季最下位に終わったレンジャーズだ。

 昨季のワールドシリーズMVPで前ドジャースのシーガー遊撃手(27=今季打率.306、16本塁打、57打点)と10年約368億円、大谷と最後まで本塁打王争いを演じた前ブルージェイズのセミエン二塁手(31=同.265、45本塁打、102打点)と7年約193億円で合意するなど、ここまで全球団ダントツの約637億6000万円をつぎ込んでいる(日本時間11月30日現在)。

 今季レギュラーシーズン終盤戦で20年ぶりのポストシーズン進出を逃したマリナーズも大物取りではレンジャーズに引けを取らない。今季のア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞し、ブルージェイズからFAになっていた左腕レイ(30=今季13勝7敗、防御率2.84)を5年約130億6000万円、今夏の球宴に選ばれた前パドレスのユーティリティー野手フレイジャー(29=今季打率.305、5本塁打、43打点)をトレードでそれぞれ獲得した。

 今季ワールドシリーズで敗退したアストロズは5年ぶりの世界一奪還をもくろみ、補強に抜かりはない。FAになった11年、19年のサイ・ヤング賞右腕バーランダー(38=前年のトミー・ジョン手術で今季は全休)と1年約28億5000万円で再契約。今オフの移籍市場の最大の目玉コレア遊撃手(27=今季打率.279、26本塁打、92打点)を5年170億円規模のオファーで引き留める意向という。

 ライバル球団が軒並み戦力アップを図る中、エンゼルスは日本時間11月30日現在、メジャー8位の約51億円を投じたが、費用対効果は望み薄と言わざるを得ない。ここまでFAで前メッツの160キロ右腕シンダーガード(29=今季2試合で0勝1敗、防御率9.00)を1年約23億9000万円、大谷と同じ投打の二刀流でのプレーを希望する前レッズの右腕ロレンゼン(29=同27試合で1勝2敗、防御率5.59)を1年約7億7000万円で獲得した。

先発もう一枚と守護神の獲得が少なくとも必要

 しかし、シンダーガードは肘の手術明け、ロレンゼンは打撃と外野守備に定評があるものの、故障が多くシーズンを通じてローテを守る保証はなく、いわば「なんちゃって二刀流」だ。

「補強の進捗度を見る限り、エンゼルスはライバル球団と比べて後れを取っていると言わざるを得ません」とスポーツライターの友成那智氏がこう続ける。

「今季終了後、ミナシアンGMは『先発投手の補強を優先する』と断言しながら、故障明けと先発での実績が乏しいスターター2人の獲得にとどまっています。加えて、ここにきて今季8勝(3敗、防御率3.76)の右腕コブがジャイアンツにFA移籍した。現時点でもローテの頭数は揃っていますが、大谷以外は計算しにくく、若手投手の底上げを当てにするしかないのが現状。ア・リーグ西地区で他の球団と互角か、それ以上の勝負を展開するには、少なくとも先発をもう一枚と守護神の獲得が必要です」

 ついでに言えば、中継ぎ左腕のループも獲得しているものの、それ以前の問題というのだ。

 地元紙を含めた複数の地元メディアの報道を総合すると、今オフのエ軍が補強に費やせる資金は約68億円。すでに51億円を投じているだけに、残りは17億円。他球団のようにエース級と大型契約を交わすのは難しいだろう。

「今季の結果、このオフの補強から判断すると、来季のア・リーグ西地区は投手力が充実しているアストロズ、マリナーズ、アスレチックスの三つ巴になると思う。これに若手投手の台頭次第ですが、二遊間を補強したレンジャーズが続き、エンゼルスは今季最下位のレ軍と入れ替わって最下位転落まであるのではないか。大谷は今季を総括する会見で『常にシーズン終盤はプレーオフ争いをしたいと思っています。ヒリヒリする9月を過ごしたい』と発言して話題になりましたが、来年も大谷が満足するような結果は望めないでしょう」(友成那智氏)

 大谷は来年も消化不良のシーズンを送ることになりそうだ。

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