佐々木朗希「8回完全投球」での降板いまだ波紋…“球界の至宝”を預かる監督の苦悩

公開日: 更新日:

 その時の指揮官の心境はいかばかりか……。

 八回裏の攻撃を終えた時点で、佐々木朗希の球数は102球。九回表に井口監督は、ゆっくり球審の元へと歩み、投手交代を告げた。

【写真】この記事の関連写真を見る(19枚)

 満員のゾゾマリンスタジアムは一斉にどよめき、日本ハムの新庄監督も「マジ?」と言わんばかりに天を仰いだ。2試合連続完全試合達成という前人未到の大記録を目前にして、まさかのハシゴ外しだ。

 ロッテは佐々木朗希に関しては、慎重すぎるほどの起用を一貫させている。ルーキーイヤーの2020年は公式戦で一球も投げさせず、体づくりに専念させた。一軍デビューした昨季も登板間隔を中10日以上空け、球数も100球以下に徹底。シーズン終盤の10月になり、初めて中6日を解禁した。今季は開幕から中6日で先発ローテを守っているものの、球数は10日オリックス戦の105球が最多だ。

 井口監督はそうしたチーム事情を誰よりも理解している。試合後は「今日は100球弱と思っていた。我々も最後まで見たかったし、ファンの方も見たかったと思うけど、先々を考えたら今日はあそこが限界だった」と説明し、「味方が点を取っていても八回で交代させていた。佐々木もへばりつつあった」と話した。

「英断」「ありえない」賛否両論の声

 とはいえ、指揮官の判断に賛否が出ているのも事実。「英断」と称賛する声もあれば、「残念」「ありえない」という声もネットでちらほら出ている。

 同じように佐々木朗希の扱いに苦慮したのが、母校・大船渡高校の国保陽平監督だ。佐々木朗希が3年時の2019年夏の岩手大会、決勝で佐々木朗希を投げさせないまま、花巻東に敗退。甲子園への切符を逃した。

 佐々木朗希は7月24日の準決勝で129球を投げており、決勝戦は翌25日。国保監督は「私の判断。故障を防ぐためだった」と説明したものの、エースを温存しての敗戦は地元のみならず、多くの野球ファンから袋叩きに遭った。

 18日発売の「週刊ポスト」によれば、国保監督は昨年夏をもって監督を退任。学校へのクレームがやまず、同校OB会の間でも監督解任運動があったという。

 佐々木朗希と同じく「怪物」と呼ばれた大谷翔平(エンゼルス)も日本ハム時代、一塁にヘッドスライディングをし、栗山監督から「ケガをしたら困る。二度とやらせない」と厳重注意をされたことがある。

 万が一、無理をさせて取り返しがつかないケガでもしたらーー。「球界の至宝」を預かる監督の心が休まることはなさそうだ。

*この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    佐々木朗希の選手会脱退に「情けないし、寂しい」 球界に広がった“第2の朗希”への危機感

  2. 2

    (1)阿部監督の暴行事件は巨人にとって“渡りに船”だったか…異様に早い「解任判断」の裏側

  3. 3

    ドジャース大谷6年連続オールスタースタメンに暗雲…建国250周年の地元票が生む“フィリーズ包囲網”

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の快進撃に暗雲…正捕手スミスが離脱、大谷が“何度も首を振った”ラッシングが代役に

  5. 5

    楽天・塩川達也監督代行とは何者か…野村克也氏から重宝された「悪く言えばイエスマン」

  1. 6

    大谷翔平が負傷して出血…ドジャース指揮官は軽症強調もサイ・ヤング賞に悪影響を及ぼす懸念

  2. 7

    「ベンチ裏で泣いた」佐々木朗希に囁かれたメジャー適応力への不安…野茂英雄との決定的な違い

  3. 8

    阿部慎之助氏の巨人監督復帰が絶望的なワケ…親会社が断固として許さない暴力行為の重み

  4. 9

    楽天次期監督に「巨人・橋上代行」が急浮上!“短命政権”を繰り返すフロントの悪癖と思惑

  5. 10

    佐々木朗希の選手会脱退が若手逸材に飛び火 「電通が動いているんじゃないか」と広がった疑心暗鬼

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松村北斗&目黒蓮の"2強"を崩すSTARTO社の若手演技派は? 男性アイドル戦国時代のカオス

  2. 2

    皇室典範改正のタイミングで…愛子さまに「海外留学」説が浮上

  3. 3

    渋野日向子に「全米女子プロ」逆転出場の道…勝みなみと3年連続タッグでツアー唯一のダブルス戦V狙う

  4. 4

    不倫と嘘が止まらない高市内閣の人格と運命…エロ文科相が「道徳心」を説くお笑い

  5. 5

    キオクシア株は「高値の花」…2期連続過去最高決算で時価総額40兆円も、個人投資家比率わずか5%

  1. 6

    森香澄はピアニストを夢見て練習に打ち込むも、1浪して東京女子大現代教養学部へ…高校は都立新宿

  2. 7

    男性シニアの再就職は元公務員でもこんなに難しい 中高年がハマりやすい「リスキリング」の落とし穴

  3. 8

    森香澄には「あざとかわいい」にとどまらない「主役体質」の素質アリ

  4. 9

    高市事務所が選挙ネット戦略で手だれに接近のナゼ…中傷動画作成・拡散のキーマン松井健氏の“意外な実績”

  5. 10

    「ペチュニア」と「キンギョソウ」が見頃を迎えた花と緑のテーマパーク「東京ドイツ村」入場券を5組10人にプレゼント