スポーツ紙がこぞって「ロシア狼雅vsウクライナ獅司」土俵で激突報道の違和感

公開日: 更新日:

 土俵上でロシアとウクライナが激突──と、スポーツ紙がこぞって報じている。

 昨17日、幕下でロシア出身の狼雅(23)とウクライナ出身の獅司(25)が対戦。狼と獅子の対決は、前者の下手投げで決着がついた。

 いまなお続いているロシアのウクライナ侵攻は、世界的な重大事。角界でも両国出身力士が……となれば、メディアが我も我もと報じたくなるのも無理はない。

 とはいえ、狼雅はロシア連邦を形成するトゥバ共和国生まれ。モンゴルと隣接している国で、国民の8割以上はモンゴロイド系のトゥバ人だ。狼雅は14歳で、父の出身地であるモンゴル・ウランバートルに移住。その後、相撲強豪校の鳥取城北高への留学を経て、角界入りした。相撲協会も当初は「モンゴル出身」と紹介していたほどだ。

 確かに狼雅は生まれこそロシアだが、現在の国籍はモンゴル。肝心の相撲で注目されるならまだしも、ロシア出身というだけでウクライナ出身の獅司と絡めて話題にされたらたまらない。獅司も含め、異国の地で切磋琢磨している彼らにすればいい迷惑じゃないか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ