大谷翔平の2年連続球宴出場を強力後押し! MLB&中継テレビ局の思惑と皮算用

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「ミッドサマー・クラシック」(真夏の祭典)といわれる米大リーグのオールスター(日本時間7月20日=ドジャースタジアム)まで1カ月を切った。

 米大リーグ機構(MLB)は日本時間9日からファン投票を開始し、日本人選手ではエンゼルス・大谷翔平(27)がア・リーグDH部門、カブス・鈴木誠也(27)がナ・リーグ外野手部門、パイレーツ・筒香嘉智(30)がナ・リーグ一塁手部門にそれぞれエントリーされている。

 1次投票は同7月1日午前2時59分に締め切られ、各ポジションの最多得票選手が本戦のスタメンを務める。1次投票で2位以下だった選手のうち、内野各ポジションの上位2人、外野手上位6人、DH上位2人が7月6日からの2次投票に進む。投手と控え野手の一部は機構推薦や選手間投票などで決定する。

 二刀流の大谷は、ここまで投手として11試合で5勝4敗、防御率3.28、打者として打率.250、13本塁打、37打点。ア・リーグDH部門には、アストロズのヨーダン・アルバレスが打率.311、いずれも同部門トップの18本塁打、47打点をマークしている。大谷の2年連続ファン投票による選出、リアル二刀流での出場が厳しい状況だが、名誉ある球宴メンバーには名を連ねそうだ。

 というのも、MLBと中継局(FOX、ESPN)の後押しが期待できるからだ。大谷の史上初の二刀流選出が注目された昨年のオールスターは本戦、ホームランダービーとも視聴者数が増加した。

視聴率アップの切り札

 米視聴率調査会社ニールセンによれば、FOXが中継した球宴(コロラド州デンバー)の視聴者数は824万人。史上最低を記録した19年(20年はコロナ禍で中止)の814万人を上回った。ESPNが中継したホームランダービーはさらに顕著だった。

 本塁打競争の平均視聴者数712万6000人に対し、大谷とナショナルズ・ソト外野手による1回戦が行われた米東部時間午後9時半からの15分間は瞬間視聴者数最多の868万5000人を記録した。開幕からリアル二刀流として結果を残した大谷への関心の高さが改めて証明された格好だ。

 オールスターに限らず、レギュラーシーズン、ポストシーズンも含めた大リーグ中継の視聴率は年々、低下している。18日に米メディアの取材に応じたロブ・マンフレッド・コミッショナーは「我々は新たなファン層を開拓しなければならない」と危機感を口にし、今後はインターネット中継にも尽力する方針を明かした。

 大谷の2年連続出場は昨季の視聴者数増加に味を占めたテレビ局の意向も反映されて、機構推薦によって実現しそうだ。

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