【追悼・池永正明氏】同級生のライバル山崎裕之氏が語る「天才投手の凄み」

公開日: 更新日:

「この若造、ええボールを放ってくるな」

 その試合でボクは池永に3タコだった。チームも高校出のルーキーに、わずか1安打の完封負けして9三振を奪われた。

 *  *

 昭和39年、ボク(上尾高)と池永正明(投手=下関商)、菱川章(外野手=倉敷工)の3人は、高校時代の実績や将来性を高く買われ、マスコミは「高校三羽ガラス」と呼んだ。ボクは東京へ、池永は西鉄、菱川は中日にそれぞれ入団した。ボクは1年目の開幕から先発で起用されたが、プロのスピードや変化球の鋭さに苦しんでいた。菱川もその年34試合に出たが、大した働きを見せることはできなかった。

 ところが池永だけは、プロ入りするなり、すぐに頭角を現した。6月初めには早くも3勝目を挙げ、西鉄の投手陣を引っ張るまでになっていた。

 175センチ(77キロ)と、投手として小柄だった池永の武器は、剛速球と、この年の春先に覚えたスライダーだった。

 マウンド上で捕手のサインをのぞき込む池永は、ギョロッとした丸い目を見せた。全身をバネのように柔らかく使うフォームは独特だった。捕手のサインにうなずくと大きく振りかぶり、左足を上げると軸になる右足のヒザが伸び、カカトがちょっとだけ浮く。そこから下半身を低く沈め、リストを利かしたスリークオーターハンドから投げ込んでくる。初めて池永と対戦した時その速球は「グン、グン、グン」と、3段階に加速するように見えたものだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「豊臣兄弟!」白石聖が大好評! 2026年の毎週日曜日は永野芽郁にとって“憂鬱の日”に

  2. 2

    川口春奈「食べ方が汚い」問題再燃のお気の毒…直近の動画では少しはマシに?

  3. 3

    あの人「なんか怖い」を回避する柔らかな言葉遣い

  4. 4

    自分探しで“変身”遂げたマリエに報道陣「誰だかわからない」

  5. 5

    (1)高齢者の転倒は要介護のきっかけになりやすい

  1. 6

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 7

    「誰が殺されてもおかしくない」ICE射殺事件への抗議デモ全米で勃発

  3. 8

    解散総選挙“前哨戦”で自民に暗雲…前橋出直し市長選で支援候補が前職小川晶氏に「ゼロ打ち」大敗の衝撃

  4. 9

    業績悪化で減収減益のニトリ 事業の新たな柱いまだ見いだせず

  5. 10

    チンピラ維新の「国保逃れ」炎上やまず“ウヤムヤ作戦”も頓挫不可避 野党が追及へ手ぐすねで包囲網