カゼミロ決勝弾でブラジルを決勝Tに導く 名門マンU“110億円の救世主”W杯でもしっかり仕事
セルビアとの第1戦を2-0と快勝発進した優勝候補のブラジルは、第2戦でスイスと対戦した。
スコアレスドローかと思われた後半38分、MFカゼミロ(30=マンチェスター・ユナイテッド)が、左サイドのFWビニシウスからペナルティーエリア手前のFWロドリゴを経由したパスを右足でダイレクトシュート。ゴール右のネットを揺らした。
ビニシウスとロドリゴはレアル・マドリード所属。カゼミロも昨季まで同チームでプレーしており、右足首を負傷したエースFWネイマールを欠く中、「元レアルトリオ」のコンビネーションで、ブラジルを決勝トーナメント進出に導いた。
2013年からマドリードのユニホームを着ていたカゼミロは、今季開幕後の8月に急転、英プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドへ移籍した。サッカー関係者がこう言う。
「マンUは移籍金6000万ポンド(約97億円)+ボーナスは最大で1000万ポンド(約16億円)とされる条件でレアルと合意。110億円という大金を置き土産に長年在籍したレアルとしこりを残さない“幸せな移籍”と話題になりました。レアルでもブラジル代表でも、攻守のバランスを取れるアンカー(守備的MF)として重要な役割を担い、チャンスと見るとスルスルと攻撃参加して得点もできる。マンUは来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を失うなど低迷中。ポルトガル代表ロナウドとのゴタゴタも続いた(11月22日に退団発表)。そんな名門の救世主としてカゼミロは招かれたのです」
ブラジルは南米予選で17試合を戦い、14勝3分け0敗の首位で本大会出場を決めた。40得点の攻撃力がクローズアップされるが、実は5失点の堅守が特徴でもある。グループリーグ2試合無失点の守備陣を支える男が、ブラジルを20年ぶりの優勝へと導く。