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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

加藤未唯の全仏OP女子D3回戦は「失格」ではなく「弱点」を引き出された敗戦だった

公開日: 更新日:

 テニスの全仏オープンが終わった。ジョコビッチがメジャー通算23勝を飾り、準優勝のルード、20歳のアルカラスが“ポスト3強”らしい実力を披露。ナダル不在の不安を一掃する中身の濃い大会だったが、日本ではあらぬ話題に終始した。

 女子ダブルス3回戦、第1セットを6-7で落とした第2セットに、加藤未唯が不用意に相手陣後方に戻した打球がボールガールの首筋を直撃。山なりとはいえ、不意を突かれたボールガールは泣き出した。主審の「警告」の判定に、相手ペアは大会レフェリーの裁定を求めた。これはよくある手順で、レフェリーが聴取し「失格」とした。

■打ったボールに責任

 失格者は賞金とポイントを没収され、同大会の他種目への参加も取り下げられる。「故意ではない」という抗議に対し、レフェリーはこう繰り返した。

「ポイント間でも自分が打ったボールには責任があります」

 故意か不注意かはドーピングでも問題になるが、ルールの趣旨は、選手は自分の肉体、行動に全責任を持てということ。そもそも故意だったら傷害罪になるし、大会中の練習でもそうした責任は問われる。

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