佐々木麟太郎の後を追う球児が続出? 米国野球留学の実態を現役選手2人が打ち明ける

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最新機器によるデータ

 鎌倉学園高ではエース、短大からガードナー・ウェブ大に編入して投手として活躍する小島和也さん(23=4年)も、こう口をそろえる。

「僕は学費の9割ほどの奨学金をいただいています。日本の大学を知らないので比較はできませんが、この環境は世界トップレベルだと思う。たとえば大学に備わっているリハビリ施設は使い放題。日本にいたころに通っていた整骨院と同じマシンが置いてあってとても驚きました。本当は利用しなくて済むのが一番ですけどね(笑)。投球の練習はキャッチボールの距離まで1日単位で管理されていて、ブルペン投球も通常は15球くらい。アナリストと密に連携を取りながら、制限された状況で効率的にスキルアップできるように頭を使いながら取り組んでいます。シーズン中は少ない部員数(40人前後)に対して試合数が多いから、主力の野手でも故障防止のために1週間くらい休むことがある。根性論ではなく、論理的にやっていく風土があります」

 そのほか、2人の話に共通するのは、練習時間は2~3時間。最先端の機器を使い、さまざまな角度から技術を磨くことができる点だ。

「野手の場合、スイング速度はもちろん、打った球の角度などあらゆるデータを取って、それをアナリストが分析して、的確な指示を出してくれます。試合が多くてたくさん実戦経験を積めるメリットはすごく大きい。特に打撃が鍛えられている実感があります。また、指導者たちは食事でも細かいところまでアドバイスをくれるので、最近では『クレアチン(アミノ酸の一種)のサプリはどこ製品がいいか』と聞いたりもしました」(太刀岡さん)

「練習中だけではなく、試合中もリアルタイムで投げた球の回転数や変化球の変化量の大きさなどをチェックすることができます。試合後にそれらのデータが個々に送られてくるので、自分の状態や課題を細かくチェックすることができます。ムダが少なくて、すごく効率がいい。最先端のテクノロジーを使い放題ですからね」(小島さん)

 さまざまな障壁を突破すれば、実力次第で夢のような環境を「無料」で享受できる。腕に覚えがある高校球児がこぞって米留学を選ぶ未来はそう遠くないかもしれない。

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