監督賞は? ご祝儀は? 知られざるプロ野球マネー事情 現場もフロントも知る元広島・川端順氏に聞く(前編)

公開日: 更新日:

 ドジャースとMLB史上最高額となる総額7億ドル(約1015億円)のメガ契約を結んだ大谷翔平。ぜいたく税対策として約97%を「後払い」にする異例の契約が話題になった。

 成績次第では大金が稼げるプロ野球の世界。ただ、謎も多い。広島ドラフト1位で入団し、引退後は投手コーチや編成グループ長などのフロント業務を歴任した川端順氏(63=徳島県松茂町議)に、球界の金銭事情について聞いた。今回はその前編。

■譲渡金23億6000万円の使い道は?

【Q1】2016年1月に広島の前田健太がポスティングでドジャースへ移籍した際、譲渡金23億6000万円が球団に入りました。何に使った?

「この年に1次キャンプ地の宮崎県日南市と2次キャンプ地の沖縄市にそれぞれ1億円を寄付しました。ほぼ同時期の16年1月に開業以来初めてマツダスタジアムの芝を全面的に張り替えています。この年、球場のコンコースを広げたり、リニューアルに数億円を使いました。カープは親会社のない独立採算制の球団なので、残りは補強や人件費に充てるため、貯蓄したと聞いています」

【Q2】かつては江藤、金本、新井、丸……。FAで主力が流出した見返りとして球団に入る「金銭補償」の使い道は?

「金本の時は人的ではなくて金銭補償でした。私は編成の仕事をしていて、職員と球団関係者全員に50万円ほどの臨時ボーナスが支給されました」

【Q3】現役時代(1984~92年)の「ボーナス」について。

「あくまで40年前の話ですが、1勝するごとに球団から12万5000円が勝利給として支給された時期もあった。これをベンチ入り25人で分けるので1人5000円。(山本)浩二さんが満塁本塁打を打とうが、大野さんが完封しようが、ベンチ要員だろうが、みんな5000円均一。これを貯めて飲みに行っていました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?