五輪汚職の高橋治之の「告白」を新聞・テレビが報じないワケ…誰を怖がっているのか?

公開日: 更新日:

 これを出せば検察は激怒し、私を逮捕するかもしれなかった。なぜなら、調書で麻原は延々と自己弁護し、犯行は自分の知らないところで部下たちがやったという内容だったからだ。当局の面目は丸潰れになり、醜態をさらすことになる。

 案の定、掲載誌が出た後の検察の“報復”は厳しいものだったが、ここでは省く。

 今回も新聞・テレビが無言なのは、無罪を主張する高橋の言い分をそのまま載せて、検察から睨まれたくなかったからではなかったか。権力を監視するという役割など、とっくに放棄しているのだから当然だろうが。

「事実に反した森さんの供述で、僕は逮捕されてしまった」という高橋の告白から、私が読み取るのは、当局は五輪汚職を事件化するために、森喜朗と「司法取引」したのではないかという“疑念”である。「森さん、あんたを見逃す代わりに高橋を差し出せ」──。ここはぜひ森の弁明が聞きたい。 (文中敬称略)

(「週刊現代」「フライデー」元編集長・元木昌彦)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    すい臓がんの治療が成功しやすい条件…2年前に公表の日テレ菅谷大介アナは箱根旅行

  3. 3

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  4. 4

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  5. 5

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  1. 6

    「戦隊ヒロイン」ゴジュウユニコーン役の今森茉耶 不倫騒動&未成年飲酒で人気シリーズ終了にミソ

  2. 7

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  3. 8

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 9

    志茂田景樹さんは「要介護5」の車イス生活に…施設は合わず、自宅で前向きな日々

  5. 10

    NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?