東京五輪レガシー「晴海フラッグ」入居開始…鳴り物入り選手村跡地マンションと街の課題

公開日: 更新日:

 東京五輪パラリンピックの選手村跡地を改修した「晴海フラッグ」(中央区)の入居が始まった。来年にはこのマンション群に1万2000人が住む予定だ。

 中央区の月島・晴海エリアはタワマンラッシュ。74平方メートルで平均1億3200万円の億ションだらけだ。「晴海フラッグ」は都有地の払い下げで比較的割安。とはいえ1億円超も多い。

 売り文句は、「五輪レガシー」「ゆったりとした新しい街」「東京湾が見渡せる」と若い入居者には魅力的なイメージだ。

 しかし、近隣の不動産関係者が言う。

「問題は通勤です。最寄りの地下鉄の駅までは徒歩15分。駅は狭くて今でさえ長蛇の列です。近隣の高層マンションのサラリーマンはバスを利用していますが、朝のバス停は何かのイベントがあるのかと思うほど混んでいます」

 東京都は新橋と晴海フラッグとをつなぐバス高速輸送(BRT)を開通させる予定だが、大量の通勤客をさばき切れるか不安だ。

 もうひとつの不安は小・中学校。中央区は晴海に新しい学校を開校する予定だが、「教員確保が難しい」(区関係者)という。

 入居者の楽しみに水を差す気はないが、売り文句と現実の差は覚悟しておいたほうがいい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    これぞ維新クオリティー!「定数削減法案」絶望的で党は“錯乱状態”…チンピラ度も増し増し

  3. 3

    「おこめ券」迫られる軌道修正…自治体首長から強烈批判、鈴木農相の地元山形も「NO」突き付け

  4. 4

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  5. 5

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  1. 6

    12月でも被害・出没続々…クマが冬眠できない事情と、する必要がなくなった理由

  2. 7

    やはり進次郎氏は「防衛相」不適格…レーダー照射めぐる中国との反論合戦に「プロ意識欠如」と識者バッサリ

  3. 8

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  4. 9

    黄川田地方創生相が高市政権の“弱点”に急浮上…予算委でグダグダ答弁連発、突如ニヤつく超KYぶり

  5. 10

    2025年のヒロイン今田美桜&河合優実の「あんぱん」人気コンビに暗雲…来年の活躍危惧の見通しも