著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

韓国で初の公式戦を行う大リーグの思惑…背景に高校球児わずか「約3600人」の惨状

公開日: 更新日:

 大リーグ機構は2017年にソウルに事務所を開設して以来、韓国での野球の普及に向けた取り組みを本格化させている。

 そして、一連の施策の最初の仕上げとなるのが、今年3月の公式戦(ドジャース対パドレス)の開催である。

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次リーグの開催国のひとつが韓国だったのは、機構の韓国を重視する態度の表れだった。

 また、近年も、機構が新たな国際戦略の施策として2022年に実施した「ホームランダービーX」の開催地として、ロンドンとメキシコシティーとともにソウルが選ばれている。

「ホームランダービーX」は元大リーグ選手が現地の女子野球やソフトボール選手らで構成されるチームを率いてホームラン競争に参加するというもので、野球を広範な層に広めようとする試みだ。

 アジア地域では日本に次いで大リーグに在籍した選手の数が多く、WBCでも準優勝を1回記録する強豪国として高い存在感を誇るのが韓国である。

 しかし、競技としての野球の裾野の広がりは限定的で、もっぱら観賞の対象にとどまるというのが現状となっている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  2. 2

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  3. 3

    佳子さま31歳の誕生日直前に飛び出した“婚約報道” 結婚を巡る「葛藤」の中身

  4. 4

    国分太一「人権救済申し立て」“却下”でテレビ復帰は絶望的に…「松岡のちゃんねる」に一縷の望みも険しすぎる今後

  5. 5

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  1. 6

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  2. 7

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  3. 8

    清原和博 夜の「ご乱行」3連発(00年~05年)…キャンプ中の夜遊び、女遊び、無断外泊は恒例行事だった

  4. 9

    「嵐」紅白出演ナシ&“解散ライブに暗雲”でもビクともしない「余裕のメンバー」はこの人だ!

  5. 10

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢