3月場所で陸奥部屋閉鎖…相撲部屋は継承よりも「独立ラッシュ」突入待ったなし

公開日: 更新日:

 JR両国駅からも国技館からも徒歩1分。最高の立地であるはずの陸奥部屋が、3月場所限りで閉鎖する。昨1日、陸奥親方(元大関霧島)が明らかにした。

 陸奥親方は4月に65歳の定年を迎える。再雇用制度を使えば70歳まで「参与」として相撲協会に残れるものの、参与は師匠、つまり部屋を持てない。部屋を存続させるためには後継者を決めなければいけなかったが、誰も手を挙げる者がおらず、所属していた元横綱鶴竜の音羽山親方も昨年12月に独立した。

 古株の親方は「今後は継承せず、独立する親方が今以上に増えるのでは」と、こう続ける。

「確かに部屋を継承するメリットはある。土地と建物は最初からあるし、タニマチや後援会など、部屋として持っていた基盤もそのまま引き継げますからね。ただ、トラブルも起きやすい。ほとんどの場合、相撲部屋は師匠の自宅も兼ねています。一番多いのは金銭トラブルです」

 カネの切れ目が縁の切れ目とはよくある話だ。

「ある部屋では先代一家が家賃を急に値上げし、支払いをめぐって師弟で大ゲンカ。家賃を滞納し、実際に訴訟を起こされた師匠もいる。部屋の経営方針で口論なんて、日常茶飯事ですよ。カネ以外でも先代が同居という形はトラブルを招きやすい。最近だと元高砂親方の朝潮がコロナ禍の外出禁止期間中に朝乃山を飲みに連れ回していたことがバレて、協会を退職した。もちろん、先代から継承された部屋すべてで揉め事が起きているわけではないが、厄介の種になりかねないのも事実です」(前出の親方)

 部屋の新設にはカネがかかるが、それでも「先代と同居よりマシ」と考える力士は少なくない。

 両国駅前、「ちゃんこ霧島」の真裏にある陸奥部屋。当分は、空き家となりそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗