著者のコラム一覧
Ricardo Setyonジャーナリスト

リカルド・セティオン 1963年生まれ。サンパウロ出身。中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材。スポーツジャーナリストに転身し、8カ国語を操りながらブラジルメディア以外にも英「ワールドサッカー」、伊「グエリン・スポルティーボ」など幅広く執筆。BBCのラジオ番組にも出演。98年、02年のW杯期間中にブラジル代表付き広報を務めた。現在もジーコ、ロナウド、ロナウジーニョ、カフー、ドゥンガら大物との親交も厚い。13年コンフェデレーションズカップではFIFA審判団の広報。国内では「ワールドサッカーダイジェスト」「スポルティーバ」などでコラムを執筆中。ブラジルのマッケンジー大、パナマのパナマ大、イスラエルのハイファ大などでスポーツマネージメントの講義を行う。自他ともに認める「サッカークレージー」。

セーヌ川は「大腸菌地獄」…“泳ぐと罰金”レベルの汚染度で心配なアスリートの健康被害

公開日: 更新日:

 ボンジーア! いや、ボンジュールかな。

 さて、今回のパリ五輪は「セーヌ川」がかなりクローズアップされている。開会式では各国の選手がそれぞれ船に乗り、6キロの距離を下るし、なにより男女のトライアスロンやオープンウオータースイミングなど、いくつかの競技はまさに川の中で行われるんだ。

 でも、実はセーヌ川って1923年から泳ぐことが禁止されている。泳ぐと罰金を取られるほどだ。理由はズバリ「汚い」から。それも健康被害が出るレベルだ。

 水質を改善するため、五輪の組織委員会は14億ユーロ(約2362億円)もの大金をかけて排水管を新調し、ハイテクな下水処理場や集水槽などを建設。開会式までには75%汚染を取り除く約束をした。大会後の2025年には、セーヌ川のほとりにビーチや遊泳場をつくって川遊びを楽しめるようにする計画まで出来上がっているんだ。

 ところが! この4月にNGOのサーフライダー・ファウンデーションがセーヌ川の水質検査をしたところ、水100ミリリットル当たりから大腸菌が2000コロニー形成単位(CFU)、腸球菌が500CFU、検出された。国際大会の基準で許容される最大値は、大腸菌が1000で腸球菌が400だから、超えてしまったわけだ。ちなみに、こうした汚染のほとんどはし尿によるものだ。セーヌ川の郊外には、まだいくつかの場所で雨水と一緒に下水を直接川に流しているところがあるらしいよ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変