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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

ウィンブルドンから世界が見える テニス発祥の地の矜持を保ちつつ、時代に即して変化

公開日: 更新日:

 アメリカ中心の80年代から、リオス(チリ)、クエルテン(ブラジル)、ヒンギス(スイス)が現れ、今世紀に入ってサフィン(ロシア)、フェデラー(スイス)、ナダル(スペイン)、ジョコビッチ(セルビア)、錦織、女子もシャラポワらロシア勢に李娜(中国)……。聖地の伝統の土台の上に展開される、多様性と変化に富んだ世界ツアーのアップデートな話題がテニスを特別な競技にしている。

 今大会で目を引くのがイタリア勢の躍進だ。第1シードの22歳、シナーを筆頭に男子シングルスに10人が名を連ねた。スキアボーネやペンネッタといった女子の活躍と悪童フォニーニの人気をてこに、イタリア協会はミラノにU21王座決定戦「ネクストジェン」、ATP最終戦をトリノに誘致し、アルプスの麓からシチリア島までの多様な国勢を巧みにまとめ上げた。

 シナーは「ネクストジェン」の優勝から駆け上がって先月、同国初の世界ランク1位に。同国初のウィンブルドン制覇をうかがう。

 イタリアには地中海の避寒地で栄えたクレーコートの伝統があった。若者の伝統への挑戦に、スペインを変えたナダルが重なる。ナダルの聖地初優勝も22歳だった。

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