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梅原敦プロキャディー

1974年4月生まれ。京都府向日市出身。98年「つるやオープン」から藤田寛之とコンビを組み、15年間専属キャディーとして14勝を挙げ、2012年賞金王、海外メジャーも経験。14年からフリーになり、森田理香子、一ノ瀬優希、成田美寿々、李知姫、塚田陽亮プロとのコンビでも優勝。22年は菅沼菜々のバッグも担ぐ。キャディーとして通算22勝。軽自動車のキャンピングカーで男女ツアーを転戦中。NSインターナショナル所属。

2012年ANAオープンはデジャビュで藤田寛之さんと顔を見合わせた…「林」を越え払拭した10年前の苦い記憶

公開日: 更新日:

 2002年のANAオープンは55歳のジャンボ(尾崎将司)さんが777日ぶりの復活優勝で話題になりました。1打差で惜敗したのが藤田(寛之)さんです。

 最終日、16番のバーディーでジャンボさんに並ばれて迎えた17番。有名な左ドッグレッグのパー5。ジャンボさんは1打目を右ラフに入れて2打目は前の木にシャフトをぶつけながら、ピンが狙える位置まで運びました。スーパーショットです。

 フェアウエーセンターへ運んだ藤田さんはそれを見て迷います。グリーンエッジまでは252ヤード。札幌GC輪厚コースの17番で2オンにチャレンジしたことは過去に一度あるか、ないか。その藤田さんが僕に聞きました。

「どうする? この林越えるか?」

「7対3でいけると思います」

 藤田さんは冒険するタイプではありませんが、僕の一言でスプーン(3W)を抜き、果敢に林越えの2オンにチャレンジしました。ボールは無情にも林の真ん中に吸い込まれ2オンは失敗。このホールのボギーが勝負の分かれ目でした。いつものように2打目をフェアウエーに運び、ショートアイアンでピンを狙えばバーディーが取れる確率は高く、悪くてもパーだったでしょう。優勝したジャンボさんは「藤田のあのトライは素晴らしい」とコメントしたそうですが、僕は申し訳ない気持ちでいっぱい。ロッカールームで涙が止まりませんでした。

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