ローテ守れない佐々木朗希を追うドジャースの勝算…ポスティングによるメジャー挑戦の全内幕

公開日: 更新日:

今年以上にブルペンを強化するのが勝利への近道

 つまりFAになった今季33本塁打、99打点の外野手、テオスカー・ヘルナンデス(32)と、7勝3敗1セーブ、防御率1.93のリリーフ右腕、トライネン(36)と再契約した上で、計算の立つFAのリリーフ投手と、先発も欲しいということだ。

「これはドジャースのオフの補強プランそのものですよ。トライネン以外に計算できるリリーフも加えたいのは、今年以上にブルペンを強化したいということでしょう」と、米紙コラムニストのビリー・デービス氏がこう言う。

「ドジャースは投手に原則、21人以上の打者と対戦させない方針なのです。つまり先発は5回くらいを抑えればOK。あとはリリーフ陣を次々に投入して、目先を変えるのが有効と考えている。実際、今回のプレーオフはブルペンデーを多用、ワールドシリーズでは先発3本柱のいるヤンキースに圧勝しましたからね。データ重視で戦略を練るフロントが、今年以上にブルペンを強化するのが勝利への近道とソロバンをはじいたのでしょう」

 先発は「5回程度で十分」と考えているのであれば、体力や耐久性に乏しい佐々木獲得に目の色を変える理由も理解できる。日本のプロ野球のように先発だからといって、100球をメドに投げる必要はない。初回から飛ばせるだけ飛ばして、あとはリリーフに任せれば良いのだから、佐々木も十分、戦力になると判断しているのだろう。

 ドジャースの先発はただでさえ、故障持ちが多い。

 来季から投手として復帰する大谷翔平(30)は昨年の右肘手術に加え、今オフは左肩を手術。山本由伸(26)は今季、右肩腱板損傷で6月中旬から2カ月強、戦列を離れた。エース格のグラスノー(31)は21年にトミー・ジョン手術を受けているし、今季は右肘を痛めて8月上旬に離脱。最近になって右肘手術を受けたことを明かしている。

 いま以上にブルペンを強化、先発の負担を軽減するもくろみだけに、ひ弱な佐々木でもしゃかりきになって追い掛けるわけだ。

  ◇  ◇  ◇

 佐々木朗希は昨オフ、母親と一緒になって「メジャーに行かせてくれ!」と泥沼交渉劇を繰り広げたのは記憶に新しい。そもそもなぜ、「母親」が首を突っ込んでいたのか。母親の正体と、当時の全内幕とは。

●関連記事【もっと読む】…では、それらについて詳細に報じている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 4

    マエケンは「田中将大を反面教師に」…巨人とヤクルトを蹴って楽天入りの深層

  5. 5

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  1. 6

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  3. 8

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 9

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  5. 10

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較