3月場所は尊富士と伯桜鵬が「台風の目」に…ともに故障から復活して這い上がった苦労人
9日初日の3月場所。新横綱・豊昇龍に注目が集まる中、「台風の目」となりそうなのが、尊富士(25)と伯桜鵬(21)だ。
いずれも先場所は10勝5敗で、尊富士は前頭6枚目、伯桜鵬は同9枚目。展開次第では役力士との対戦も組まれる。
尊富士は昨年3月場所で、110年ぶりの新入幕Vを達成。しかし、場所中に右足の靱帯を痛め、翌5月場所から2場所連続休場。十両に転落したが、昨年11月場所で返り入幕を果たした。
伯桜鵬は横綱白鵬(現宮城野親方)の秘蔵っ子として、入門前から期待が高かった力士。幕下付け出しから所要1場所で十両に昇進した、史上初の力士でもある。新入幕の23年7月場所は11勝4敗で技能賞と敢闘賞を受賞したものの、こちらも直後に古傷の左肩を負傷し、手術。一度は幕下にまで陥落し、十両でも苦戦しながら、先場所は約1年半ぶりに幕内の土俵に戻ってきた。
「尊富士は鋭い踏み込みと強い圧力で、常に低い姿勢から前に攻め続ける。一発の強さに加え、優勝経験も自信になっている。一方、伯桜鵬は白鵬すら舌を巻く相撲技術を誇る。土俵際の粘りもあるので、最後まで油断できない難敵です」(若手親方)
新横綱ら上位陣は、うかうかしているとケガから復活した2人に足をすくわれかねない。