著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

ガ軍オルティスの不正疑惑は全米に普及したスポーツ賭博の現状を凝縮している

公開日: 更新日:

 問題を解決するためには、実際のプレーから数秒以内に情報を収集する必要がある。

 現在、大リーグの球場では、インカムをつけ、常時小声で試合の経過を実況する者や、試合中タブレットを操作して試合経過を入力する者を見かけることがある。

 多くの場合、これらの者は、試合の経過や選手の投打の最新の情報を放送や公式発表よりも早く賭博の運営元に届けることを目的としている。

 一方、賭けの状況の分析の代表例は、当局による不正の監視である。さらにIC360のような第三者機関が人工知能を活用して、予想される倍率と実際の数値の乖離から不正を検出している。

 これに加え、専門の分析家が報道やSNSなどの情報、さらに実際の試合の展開を24時間体制で監視、分析している。

 もし不正が検知された際は報告書を統括団体に提出し、調査が行われる仕組みが整えられているのは、それだけ米国においてスポーツ賭博が普及している証拠でもある。

 そして、運営する側も規制する側も、人間の力と人工知能を駆使している。オルティスの2回の投球の背後には、現在のスポーツ賭博の状況そのものが凝縮されているのである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    江角マキコさん「落書き騒動の真相」を初めて語る…人気YouTuberの配信に抗議

  2. 2

    『スマスロ ミリオンゴッド』導入から4カ月、目立つ空き台の裏でファンが期待するホールの対応

  3. 3

    消費税減税打ち切り時の現金支給案に経済界が不満「結局は時間とコストのムダ」

  4. 4

    横綱豊昇龍の休場より気がかりな“心の不調”…不眠と食欲減退で体重約10キロ減の不安

  5. 5

    東京の下町3兄弟「足立・葛飾・江戸川」安さだけじゃない意外な魅力 問題視された治安は今や改善

  1. 6

    テレ東「日本3大吞み食べドラマ」でも栗山千明「晩酌の流儀」に注目するワケ

  2. 7

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 8

    「カレーハウスCoCo壱番屋」の“親離れ”は吉と出るか? ハウス食品が株売却検討の波紋

  4. 9

    「男系」どころか「フカ系」? 神武天皇を持ち出す"皇統2600年論"と神話の奇妙な関係

  5. 10

    裁判沙汰…これは、むごくないか自治医大の奨学金制度