エビアン選手権 グレース・キムの“無の境地”が呼んだ奇跡の逆転優勝…日本勢の若手も見せ場を作ってほしい
あの状況では、まず池に入れたミスを認め、気持ちを切り替える。ドロップ後は目の前の一打に集中し、無心でクラブを振る。無の境地が奇跡を呼ぶのです。
一方のティティクルは、本戦17番のバーディーで単独トップに立ち、「勝った」と思ったのではないか。まさか同組のキムが最終18番でイーグルを奪い、自分はバーディーを取れずに並ばれるとは考えもしなかったでしょう。
「勝負は下駄を履くまでわからない」といいます。 72ホール目が終わるまでは何が起こるかわからないのがゴルフ。西郷真央が勝ったシェブロン選手権でも、首位のA・ジュタヌガーンが18番グリーン奥からのアプローチで空振りするという信じられないミスを犯し、5人のプレーオフの末に敗れました。
「勝つと思うな、思えば負けよ」
女子の海外メジャーは今年、美空ひばりさんの「柔」という歌を思い出すシーンが多いです。
首位から2打差でスタートした吉田優利(25)はスコアを3つ落とし21位でした。前日は63という爆発的なスコアを出しましたが、前半アイアンが曲がっていたので心配していました。メジャーでのバーディー量産と苦い経験は必ず生きるはずです。
1打差でプレーオフに残れなかったアマチュアのL・ウォード(21=英国)は、前週の欧州女子ツアーに優勝しています。女子は日本だけでなく、世界から若い選手が出てきています。17日には男子の全英オープンが開幕します。日本の若手プロにも見せ場をつくって欲しいものです。