かつての石井一久の剛毛すぎた強心臓…無断外泊でどつかれた当日の快投に野村監督も呆れていた

公開日: 更新日:

 それでも、お騒がせな一面はなかなか直らなかった。97年オフに有名女性タレントとの交際が発覚し、これに対してサッチーこと野村克也監督の沙知代夫人が痛烈批判する様子が、ワイドショーのネタとして連日、報道された。

 翌98年、遠征先の大阪で事件が起きた。先発予定の日に、宿泊先のホテルから甲子園球場入りするバスに乗っていなかったのだ。「石井はどこ行った? 大丈夫なのか?」と大騒ぎ。すると、何事もなかったかのように、ひょっこり球場に現れた。どうやら無断外泊したらしい。チーム内にはシラけたムードが漂った。

 当然、石井は球団関係者にみっちり絞られた。それどころか、どつかれたのも見た。今なら暴力はまずいが、あの時は仕方ないとさえ思った。それほどの規則違反である。罰金も取られたはずだ。巨人だったら即二軍だろう。その点ヤクルトは牧歌的だ。「とりあえず今日は投げろ」とチャンスをもらった。

 並の投手なら、とても登板できる状態ではないだろうが、石井はそんな時こそ力を発揮する。その日の阪神戦で快投。しっかり勝ち投手になった。ベンチで野村監督は「あいつは心臓に毛が生えているんじゃないか?」とボソリ。呆れるのを通り越し、すがすがしい気持ちになったものだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち