07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(下)

公開日: 更新日:

森繁和氏による「オレ流とともに去りぬ」(第4回=2011年)を再公開

 日刊ゲンダイではこれまで、多くの球界OB、関係者による回顧録や交遊録を連載してきた。

 当事者として直接接してきたからこそ語れる、あの大物選手、有名選手の知られざる素顔や人となり、そして“事件”。当時の空気感や人間関係、出来事の裏側がありありと浮かび上がる。

 前回に引き続き、今回もあの落合博満氏について綴られた、森繁和氏による「オレ流とともに去りぬ」(第4回=2011年)を再公開。年齢、肩書などは当時のまま。 

  ◇  ◇  ◇

 中日の3勝1敗で迎えた07年の日本シリーズ第5戦。日本ハム打線を相手に山井大介が完璧な投球を続けていた。八回を終えてなお、完全試合。あと1イニングで日本シリーズ史上初の大記録が達成されようとしていた。

 しかし、山井は五回の時点で右手人さし指のマメを潰していた。回を追うごとに、出血の量が増している。試合は1-0の1点差。続投か、交代か。正直、迷った。

 この年は、落合監督が開幕前からハッキリと日本一を目指すと宣言して臨んだシーズン。選手も誰もが、球団として53年ぶり2度目の日本一を、最大にして唯一の目標としていた。それが、目の前まで迫っている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝