故・野村監督の恐るべき情報収集力…ボクは第1回ミーティングでカミナリを落とされた
「おまえたちに財産をやる。『耳順』(の意識)を持ってミーティングに出てこい」
1回目のミーティングで野村さんは、ホワイトボードに、「耳順」(「論語」の「六十にして耳順う」から)と書き、選手にこう言いました。1回1時間。内容は野村さんが自身の著書で書かれているように、人生論、組織論、野球の技術論など多岐にわたりました。
当時の野村さんは講演会をやれば、1回のギャラがウン百万円ともいわれていました。最初の頃は時計を見ながら、「10分だったら、いくらだ?」なんてふざけたことを考えながら聞いていましたが、野村さんがホワイトボードに書いたことを僕らはひたすらノートに写します。
「学校の授業みたいなもんだ」
そう思いながらひたすら勉強しました。でも、すぐに全ては吸収できなかったのも事実です。ある日の試合前、野村さんから“奇襲作戦”を受けるとは、思いもしませんでした。(つづく)
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当企画「大人気連載プレイバック」では、次回も引き続きギャオス内藤氏による「ギャーギャー言わせていただきます」を掲載する。