バンテリンD「ホームランウイング」が井上中日にもたらす大誤算… ギャオス内藤氏「かえって裏目の危険」
「来年は90周年の節目であり、ぜひとも優勝を勝ち取ってほしいところです」
6日、中日の大島宇一郎オーナーがこう言った。就任1年目の今季、4位に終わった井上一樹監督のオーナー報告を受け、来季の優勝を厳命。井上監督は「みんながスタメン、ローテーションを奪い合う、熱気ムンムンのチームをつくりたい」と勝負の2年目に向けて意気込んだ。
その中日は来季から野球が大きく変わる。本拠地・バンテリンドームの左中間、右中間に「ホームランウイング」が新設されるからだ。本塁から116メートルあった左、右中間は110メートルに短縮。フェンスの高さも1.2メートル低くなる。打者有利になるのは間違いないが、中日OBの評論家・ギャオス内藤氏は、「中日の今季のチーム総得点403はリーグワースト。勝つためには、打撃力向上が不可欠です」と、こう続ける。
「首脳陣は『相手に有利になる場合もある』と言っている。いまの中日で本塁打打者と言えるのは細川成也ひとり。2ケタ本塁打を打てる打者が増えればいいですが、球場が狭くなることで、個々の選手が本塁打を打とうと意識しすぎると、かえって裏目に出る危険をはらんでいると思います。今季、狭い東京ドームでの巨人戦の打撃練習を見ていると、若手、中堅クラスが本塁打狙いの打ち方をして、フォームを崩してしまうケースがあった。今季、打率を残した岡林や上林のように、ヒットの延長線に長打があるという、ミート中心の打撃を心がけることが大事になるのではないか」