俺と巨人ガルベスの大乱闘の一部始終…落合博満さんのヘッドロックには気を失いかけた
ベンチでそう宣言してから五回の打席に向かった。すると案の定、初球で明らかな141キロのブラッシュボールが俺の頭上を襲い、ヘルメットをかすめた。来るという予想があったから準備ができていたが、もし踏み込んでいたらモロに頭に直撃していただろう。
尻もちをついた俺はすかさず立ち上がり、ガルベスに向かって歩みを進めた。
右ストレートを警戒しながら詰め寄ると、ガルベスは左手のグラブを外して素手で俺の顔面をパンチ。「利き手じゃない左から来た!」と驚いたが、よくよく考えたら、商売道具の右手が使えなくなったら選手生命に影響する。ちゃんと考えとるんだなあ、と妙に感心する自分がいた。
ガルベスから左ストレートを食らい、口の中が切れて出血。このときはアドレナリン全開で、痛みなど微塵も感じていなかった。
すかさずガルベスをヘッドロックして応戦。首につけていた金色に輝くネックレスを引きちぎってやった。首をホールドしていると、一塁から駆けつけてきた落合さんに「ヘッドロック返し」を食らった。強烈な締め上げに気絶しそうになったが、何とか落合さんの腕を振りほどき、再び乱闘に加わった。