「もう野球やめたる!」…俺は高卒1年目の森野将彦に“泣かされた”
「なんてデリカシーのない監督だ。こんなことをする星野仙一監督にはついていけない。もう野球やめたる!」
試合後も怒りと悲しみは収まらない。ハラワタは煮えくり返り、プライドはズタズタ。ナゴヤドームから自宅まで車で約40分、号泣しながら運転して帰った。
大泣きしたせいで目は真っ赤。でも、家族にはカッコ悪いところを見せられない。何事もなかったかのように帰宅。奥さんも何も聞かずそっとしておいてくれた。俺の野球観が大きく変わった一日だった。
森野は1年目こそ13試合に出場したものの、2、3年目は一軍出場ゼロ。4年目の00年から徐々に出番を増やしていった。100試合を超えたのは9年目の05年。俺と同じ遅咲きだったのが不思議なくらいだ。


















