桑田真澄さんの“ド正論パンチ”は引退するまでボクの脳裏にこびりついていた

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 桑田さんにはよくこう言われた。

「ハシ、オレだってつらい練習なんかしたくないんだよ。もし、おまえくらいの上背があったらとつくづく思う。おまえは手も大きいし、腕も長い。そういう人間に体の小さいオレが勝つには、練習するしかないやろ」

 桑田さんに比べれば、身長188センチのボクは体格的にはるかに恵まれている。にもかかわらず、ドラフト1位で巨人に入ってから5年間、一軍でたった1試合にしか投げていないボクが歯がゆかったのだろうと思う。

 振り返れば、確かにボクは甘かった。長嶋監督に「勝利の方程式」と持ち上げられ、勘違いしていたかもしれない。2.5試合に一度は登板し、疲労もたまりにたまっていた。試合前の練習でショートダッシュを10本やるところを、7本か8本でやめることもあった。

 桑田さんはそういうところをしっかり見ていたのだ。桑田さんの一言でボクは目が覚めた。

 登板過多でどんなにしんどくても、練習で手を抜くのはやめた。翌94年もチーム最多の52試合に登板し、巨人の日本一に貢献できたのは、ロッカールームで泣いていたボクに浴びせられた桑田さんの言葉があったからだと思う。

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