2009年ドラフト ロッテが菊池雄星ではなく荻野貴司をドラ1指名した舞台裏
とはいえ、1年目から2番を任せられるようなアマ選手は、なかなかいるものではない。09年ドラフトを迎えるにあたり、球団内には目玉選手だった花巻東高の左腕・菊池雄星(現マリナーズ)を推す声もあった。そこで私は、関西地区担当スカウトとして今江や西岡を発掘したスカウティングスーパーバイザーの松本尚樹(現球団本部長)に相談。スカウトも荻野の1位指名をプッシュする方針だったようで、「荻野ならいけます。素晴らしい足があります」と推薦してくれたことで、指名が固まった。
キャンプで一目見て、足は本物だと思った。「50メートル5秒台」などという触れ込みでプロ入りしても、実際にベースランニングなどの動きを見ると物足りなさを感じるケースは少なくない。
しかし、荻野はモノが違った。1年目から56盗塁した小坂誠(現育成コーチ)とタイプは違うが、何より走り出してからの加速が素晴らしかった。当初はスタートに課題はあったものの、経験を重ねるごとに向上した。
こうして開幕戦から「2番・中堅」として起用することになるのだが、オープン戦当初は物足りなさも感じていた。打撃で結果が出ないこともあったのだろう。思い切りに欠け、遠慮がちにプレーしているように映った。3月初めにはこんな話をした。


















