「食の戦争」鈴木宣弘著

公開日: 更新日:

 米国の食料安全保障戦略

 日本の「食」をめぐる危機的状況を伝え、その処方箋を説いたリポート。




 食料が世界をコントロールするための一番安い武器だと認識しているアメリカは、徹底した食料戦略で食料輸出国になっている。08年に深刻化した世界食料危機も実は、干ばつによる不作の影響というよりは、このアメリカの戦略による人災の側面が強かったという。その食料危機を解説しながら、貿易自由化の徹底が食料安全保障にどのような影響を及ぼすかを考察。その他、遺伝子組み換え農産物やBST(牛成長ホルモン)の危険性、TPP問題まで。アメリカの食料戦略に既に取り込まれた日本の現状を告発し、国家戦略の再構築を提言する。
(文藝春秋 710円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"