「食の戦争」鈴木宣弘著

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 米国の食料安全保障戦略

 日本の「食」をめぐる危機的状況を伝え、その処方箋を説いたリポート。




 食料が世界をコントロールするための一番安い武器だと認識しているアメリカは、徹底した食料戦略で食料輸出国になっている。08年に深刻化した世界食料危機も実は、干ばつによる不作の影響というよりは、このアメリカの戦略による人災の側面が強かったという。その食料危機を解説しながら、貿易自由化の徹底が食料安全保障にどのような影響を及ぼすかを考察。その他、遺伝子組み換え農産物やBST(牛成長ホルモン)の危険性、TPP問題まで。アメリカの食料戦略に既に取り込まれた日本の現状を告発し、国家戦略の再構築を提言する。
(文藝春秋 710円)

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