「福島第一原発観光地化計画」東浩紀編

公開日: 更新日:

■「福島」を風化させないために「観光地化」を提言

 福島第1原子力発電所の跡地と周辺地域の「観光地化」を実現するための提言書。観光地化という言葉に眉をひそめる方もいるかもしれないが、一般市民の見学を積極的に誘致することを目指し、それぞれの専門家が真剣に知恵を出し合い、後世のために具体的な開発計画を提案する。

 実は、福島第1原発の四半世紀前に深刻な事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所とその周辺地域は、現在、積極的に観光客を受け入れている。その始まりは、報道関係者を対象とした被災者、事故処理関係者らによる自発的なスタディーツアーだった。そして今、福島第1原発事故の避難対象地域でも同じように「観光地化」への萌芽が見られるという。

 まずは、富岡町や浪江町、南相馬市で被災者自身がガイドを務めるツアーの実際を紹介。それをどのように発展させるかを専門家らが「食」などの視点から提言する。

 そして、さらに多くの人を呼び寄せるために事故処理の拠点となった「Jヴィレッジ」を原発事故とその後の復興を象徴する新しい空間へ生まれ変わらせることを提案。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』コア視聴率も低迷…パワハラ報道前からあった"上げ底人気"疑惑

  4. 4

    趣里と三山凌輝に結婚報道…“希代のワル”羽賀研二を彷彿とさせる男の登場に水谷豊どうする?

  5. 5

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  1. 6

    ベッキー不倫騒動が教訓 LINEはこうして筒抜けになる

  2. 7

    自民“裏金議員”西田昌司氏が沖縄戦に許しがたいイチャモン…次期参院選に推薦した公明は真っ青

  3. 8

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  4. 9

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  5. 10

    嵐「解散ビジネス」で荒稼ぎの皮算用…総売り上げは500億に? 2026年5月に活動終了